建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する取り組みをテーマ別に整理してご紹介します。
10月は、コンクリート廃材の再資源化やCO2固定技術を活用した環境配慮型コンクリートの開発が進んだほか、グリーン水素やe-メタン、再生可能エネルギーの導入など、エネルギー分野でも多様な取り組みが発表されました。
また、次世代燃料の環境価値を認証する制度の実証や、ZEB化を目指す既存建物の改修、木造建築の推進、温室効果ガス削減目標の国際認定など、技術開発から制度整備、脱炭素経営まで幅広い動きが見られます。
資源循環・環境配慮型コンクリート
竹中工務店【廃コンクリートの再資源化を推進する新たなコンクリートを開発 ~国際園芸博覧会の展示施設に採用~】
竹中工務店(社長:丁野成人)は、建物を解体した際に発生したコンクリート廃材から再生骨材(砂利、砂など)を取り出し、省CO2型セメントと組み合わせたサーキュラーコンクリート※を開発、2027年国際園芸博覧会(正式略称:GREEN×EXPO 2027)の当社グループの展示施設「竹中グループ くるくるく」に初適用しました。コンクリートから排出されるCO2を約6割削減し、再利用材を約8割(質量比)使用します。
引用:2026年10月23日 株式会社竹中工務店「コンクリート廃材を利用したサーキュラーコンクリートを開発~2027年国際園芸博覧会の展示施設「竹中グループ くるくるく」に初適用~」
大成建設【国内初、CO2固定化技術「T-Carbon Mixing®」を活用した製造設備を開発・導入】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、株式会社北川鉄工所(社長:岡野帝男)、ジオスター株式会社(社長:堀田穣)と共同で、コンクリートの練り混ぜ時にCO2を直接噴霧し、コンクリート内部に固定させる技術「T-Carbon Mixing」※1を用いて、コンクリートへのCO2固定を可能とする製造設備を開発しました。
このたび、同設備をジオスター株式会社の金谷工場にあるコンクリート製造プラントに導入しました(写真1参照)。国内企業が、実際のコンクリート製造プラントにガス状のCO2を直接供給して固定化する設備を導入するのは国内初の試みであり、2026年9月から、CO2を固定したコンクリートのプレキャスト製品の社会実装に向けた検証を開始しました。
引用:2026年10月15日 大成建設株式会社「国内初 CO2噴霧・固定技術「T-Carbon Mixing®」を用いた製造設備を開発・導入」
鹿島建設【鹿児島県産シラスとCO₂吸収技術を組み合わせた環境配慮型コンクリートを開発】
鹿児島県(知事:塩田康一)では、火山性堆積物「シラス」を有効活用し、低炭素型コンクリートの普及に取り組む「インフラ・建設GXプロジェクト」を推進しています。
このたび、鹿児島県、鹿島建設株式会社(社長:桐生雅文、以下鹿島)、インフラテック株式会社(社長:松崎秀雄、以下インフラテック)の3者は、鹿児島県産の火山性堆積物シラス由来の火山ガラス微粉末「VGP」(Volcanic Glass Powder、以下VGP、JIS A6209の混和材)を、鹿島等が開発したカーボンネガティブコンクリート「CO₂-SUICOM®」(シーオーツースイコム)の材料として採用し、独自のCO₂吸収コンクリート製造技術を開発しました。今後、鹿児島県の公共工事への試験施工を通じて、地産地消型のカーボンネガティブコンクリート製品の普及展開を目指してまいります。
引用:2026年10月13日 鹿島建設株式会社「鹿児島県産の火山性堆積物「シラス」を活用しCO₂吸収コンクリートを開発」
水素・次世代燃料・カーボンリサイクル
大林組【品川インターシティ、グリーン水素と再生可能エネルギーの導入でカーボンニュートラルを推進】
日鉄興和不動産株式会社(本社︓東京都港区、代表取締役社長︓三輪 正浩)、住友生命保険相互会社(本
社︓東京都中央区、取締役 代表執行役社長:高田 幸徳)、株式会社大林組(本社︓東京都港区、代表取締役
社長 兼 CEO︓佐藤 俊美)は、 品川インターシティ(東京都港区)において、環境課題への取り組みの一環としてグリ
ーン水素発電を利用したカーボンニュートラル施策とコーポレート PPA(CPPA)による再生可能エネルギー導入の取り組み
を実施します。
引用:2026年10月23日 株式会社大林組「品川インターシティにおける環境課題への取り組み 太陽光由来グリーン水素を活用したカーボンニュートラル施策の推進とコーポレート PPA による再生可能エネルギーの導入」
清水建設・東急建設・鹿島建設・NIPPO【次世代燃料の普及促進を目指し、クリーン燃料証書制度の実証に参画】
株式会社NTTドコモ(代表取締役社長 前田義晃)、ENEOS株式会社(代表取締役社長 山口敦治)、鹿島建設株式会社(代表取締役社長 桐生雅文)、清水建設株式会社(代表取締役社長 新村達也)、鶴見サンマリン株式会社(代表取締役社長 宍倉俊人)、株式会社T2(代表取締役CEO 熊部雅友)、東急建設株式会社(代表取締役社長 社長執行役員 久田浩司)、株式会社NIPPO(代表取締役社長 和田千弘)、日本航空株式会社(代表取締役社長 鳥取三津子)は、国内におけるクリーン燃料証書制度(以下、本制度)の導入に向けて、経済産業省 資源エネルギー庁が実施する『令和8年度環境価値認証制度等整備事業(次世代燃料※1の環境価値認証・移転制度構築検討に向けた実証事業)』(以下、本事業)に参画しますので、お知らせいたします。
引用:2026年10月8日 清水建設株式会社「クリーン燃料証書制度実証事業への参画について~次世代燃料の普及拡大に向けた制度導入および制度設計上の課題の検証~」
引用:2026年10月8日 東急建設株式会社「クリーン燃料証書制度実証事業への参画について-次世代燃料*1の普及拡大に向けた制度導入および制度設計上の課題の検証 -」
引用:2026年10月8日 鹿島建設株式会社「クリーン燃料証書制度実証事業への参画について~次世代燃料の普及拡大に向けた制度導入および制度設計上の課題の検証~」
引用:2026年10月8日 株式会社NIPPO「クリーン燃料証書制度実証事業への参画について~次世代燃料の普及拡大に向けた制度導入および制度設計上の課題の検証~」
東洋建設【地域の脱炭素化に向け、e-メタンの製造・供給とCO2固定化の実証を開始】
東邦ガス株式会社(代表取締役社長:山碕 聡志、以下「東邦ガス」)、株式会社アイシン(取締役社長:吉田 守孝、以下「アイシン」)、東洋建設株式会社(代表取締役 社長執行役員:中村 龍由、以下「東洋建設」)、株式会社三井住友銀行(頭取CEO:福留 朗裕、以下「三井住友銀行」)は、「地域でのe-メタン製造供給を含む中小規模分散型カーボンリサイクルモデル実証(以下「本実証」)」を共同提案し、環境省の令和8年度「民間事業者を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証補助事業※1」に採択されました。これを受け4社は、本実証の取り組みを開始いたします。
引用:2026年10月9日 東洋建設株式会社「地域でのe-メタンの製造・供給やCO2の固定化に関する実証事業を開始〜環境省の令和8年度「民間事業者を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証補助事業」に採択〜」
再生可能エネルギー・PPA
日本国土開発【電通グループ、バーチャルPPAを通じて再生可能エネルギーの環境価値を調達】
日本国土開発株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:長谷川 幸生)は、子会社の
JDCグリーンエナジー合同会社が群馬県安中市内で開発した営農型太陽光発電所9か所を対象
に、株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 グローバルCEO:佐野 傑)
を需要家、デジタルグリッド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:豊田 祐介)
を小売電気事業者兼アグリゲーターとするバーチャルPPAを開始します。2027年1月1日から、
各発電所に由来する環境価値を電通グループへ供給する予定です。
引用:2026年10月6日 日本国土開発株式会社「電通グループ向けバーチャルPPAを開始~群馬県安中市の営農型太陽光発電所(9か所)から環境価値を提供~
CO2回収・固定技術
清水建設【海水中のCO2を直接回収する新技術の実証を開始】
清水建設(株)<社長 新村達也>は、海水中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する海洋由来のCO2回収技術「DOC(Direct Ocean Capture)」について、このほど実海域での実証事業をスタートさせます。実証事業は、東京都が推進する東京ベイeSGプロジェクト「Tokyo Bay Innovation Field」の支援を受けて実施するもので、東京湾に実証プラントを設置し、実海水を用いてCO2の回収性能や長時間の連続運転における設備の安定性、処理水の環境適合性の検証など、社会実装に向けた取り組みを進めます。
引用:2026年10月6日 清水建設株式会社「海水中CO2直接回収技術の社会実装に向け、実海域での実証事業に着手」
木造建築・ZEB・省エネルギー
熊谷組【環境配慮型ホテル「(仮称)木挽ビルホテル計画」が着工】
株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:上田真)は、日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪正浩)が東京都中央区銀座七丁目で開発を進める「(仮称)木挽ビルホテル計画」について、当社と住友林業による特定建設工事共同企業体が施工を担当し、2026年10月に新築工事に着手することをお知らせします。併せて、本計画が国土交通省「令和8年度優良木造建築物等整備推進事業」において、先進的な木造技術の普及を目的とする「先導枠」に採択されましたのでお知らせします。
引用:2026年10月1日 株式会社熊谷組「地域材活用と先進木造技術で実現する環境配慮型ホテル「(仮称)木挽ビルホテル計画」着工 国土交通省「優良木造建築物等整備推進事業」先導枠に採択」
奥村組【断熱材の厚さ確認を効率化する新技術を開発 ~スマートフォンで表面の凹凸を可視化~】
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典、以下「奥村組」)と株式会社イクシス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役CEO:狩野 高志、以下「イクシス」)は、吹付け断熱材の表面の凸凹を可視化するシステム「でこぼこスキャンTM」を共同開発しました。
本システムでは、断熱材表面の凸凹をヒートマップや等高線図で表示し、厚さ不足のおそれがある箇所を現地で面的に把握することで、従来の確認ピンによる「点」の検査と比較し、検査業務の効率化と施工品質の向上が図れます。
引用:2026年10月13日 奥村組「断熱材の厚さ確認を支援する「でこぼこスキャンTM」を共同開発 吹付け断熱材の凸凹をスマートフォンで可視化」
淺沼組【自社技術研究所のZEB化に向けた改修工事を開始】
株式会社淺沼組(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:浅沼誠)は、大阪府高槻市にある当社の技術研究所のリニ
ューアル工事に着手しました。本工事では、既存建物の改修による ZEB※1の取得を目指します。国内における大
規模な既存建物改修による ZEB 取得事例は未だ少なく、本プロジェクトが実現すれば国内で 3 番目の規模、か
つ、大阪府内の建物としては初の事例となる見込みです※2。当社ではリニューアル事業の独自ブランド
「ReQuality」を展開しており、本件はその中核プロジェクトと位置付け、本プロジェクトで得られる知見や技術
を活用し、今後のさらなる事業拡大につなげてまいります。
引用:2026年10月6日 株式会社淺沼組「淺沼組が自社技術研究所のリニューアル工事に着手~国内ではまだ事例の少ない、既存建物の改修による ZEB 取得を目指す~」
脱炭素経営・環境評価・表彰
前田建設工業【グリーン骨材を活用した循環型コンクリートの実装が国土交通大臣賞を受賞】
前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「当社」)は、当社が推進するサーキュラーエコノミー活動の一環として提案した「残コン・戻りコンを資源へ転換-グリーン骨材を活用した循環型コンクリートの実装※1」(以下、「本取組」)が、このたび「令和8年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰(3R推進功労者等表彰)※2」において、国土交通省管轄分野における最上位賞である国土交通大臣賞を受賞したことをお知らせします。
引用:2026年10月22日 前田建設工業株式会社「「残コン・戻りコンを資源へ転換-グリーン骨材を活用した循環型コンクリートの実装」が、
令和8年度3R推進功労者等表彰 国土交通大臣賞を受賞」
熊谷組【熊谷組グループ、国際的な「SBTネットゼロ基準」に基づく認定を取得】
株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:上田 真)は、国際的な環境イニシアチブである「SBTi(Science Based Targets initiative)」※1に対し、熊谷組グループの温室効果ガス(GHG)排出削減目標の改定申請を行い、このたび「1.5℃水準」および「ネットゼロ基準」での再認定を取得しました。
引用:2026年10月7日 株式会社熊谷組「熊谷組グループ、温室効果ガス排出削減目標で「ネットゼロ基準」のSBT認定を取得」
熊谷組【北陸銀行とサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結、脱炭素経営を加速】
株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区、取締役社長:上田 真、以下「当社」)は、2026年9月30日に株式会社北陸銀行(以下「北陸銀行」)と、「サステナビリティ・リンク・ローン」(以下「SLL」)の借入契約を締結しましたので、お知らせいたします。
引用:2026年10月5日 株式会社熊谷組「株式会社北陸銀行と「サステナビリティ・リンク・ローン」で資金調達〜二酸化炭素排出量(CO₂)削減目標をSPTsに設定し、脱炭素経営を推進〜」
10月のまとめ
10月は、コンクリート廃材や地域資源を活用した環境配慮型コンクリートの開発・実装が進み、建設材料の脱炭素化と資源循環を両立する取り組みが目立った月となりました。CO2をコンクリート内部に固定する製造技術や、海水からCO2を直接回収する技術など、炭素の回収・固定に関する研究開発も進展しています。
また、グリーン水素やe-メタン、クリーン燃料証書制度、バーチャルPPAなど、次世代エネルギーの利用拡大に向けた取り組みも広がりました。特にクリーン燃料証書制度では、建設会社を含む複数業種の企業が連携し、次世代燃料の環境価値を認証・移転する仕組みの構築に向けた実証が進められています。
さらに、木造建築や既存建物のZEB化、国際的な温室効果ガス削減目標の認定、サステナビリティに連動した資金調達など、建設業界の脱炭素化が技術開発だけでなく、建物運用や企業経営の領域でも進んでいることがうかがえます。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
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