建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する取り組みをテーマ別に整理してご紹介します。
9月は、低炭素型モルタルや環境配慮型コンクリート、木質化を取り入れた床構造など、建設材料の脱炭素化に関する取り組みが相次ぎました。また、CO2を活用した次世代型地熱発電技術や、建設現場のCO2排出量を一元管理する仕組みなど、エネルギー・DXの両面から脱炭素を進める動きも見られます。
低炭素建材・環境配慮型コンクリート
大林組【CO2排出量を大幅に削減する環境配慮型吹付け技術を実現】
大林組は、日特建設と共同で、のり面工事などで用いられるモルタル吹付け工法に適用可能な低炭素型モルタルを開発しました。本技術は、材料の一部に産業副産物である高炉スラグ微粉末を使用することで、製造時のCO2排出量を大幅に削減しながら、従来と同等の性能や施工性を確保しています。環境負荷の低減と施工品質の両立を可能とするもので、土木分野での幅広い活用が期待されます。
引用:2026年 09月 02日 株式会社大林組「脱炭素社会に対応し、CO2排出量を大幅に削減する環境配慮型吹付け技術を実現」
大成建設【環境性能とコストを両立した次世代OAフロアを開発】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、ニチアス株式会社(社長:亀津克己)と共同で環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/セメント・ゼロ型」※1を適用したOAフロア「T-eConフロア」を開発し、実装を開始しました。
本製品は、従来のコンクリート系フロア(以下、従来品)と同等の性能を維持しながら、CO2排出量削減と価格水準の維持を両立でき、環境負荷低減の普及を後押しする新たな選択肢として期待されます。本製品の採用は、建物の資材調達段階におけるCO2排出量(Embodied Carbon)の削減に貢献し、Scope3排出量の削減やLCA評価への活用が期待されます。さらに、今後取得予定のEPD※2を通じて、環境性能を定量的に開示することも可能となります。
引用:2026年9月25日 大成建設株式会社「環境配慮と価格水準維持を両立したオフィス向け、次世代OAフロアを開発」
日特建設【大林組と共同で低炭素型吹付モルタルを開発】
当社は、株式会社大林組と共同で、法面保護工のモルタル吹付工に適用できる、製造に伴うCO₂排出量を大幅に削減した低炭素型吹付モルタルを開発しました。
本技術では、吹付モルタルに使用する普通ポルトランドセメントのうち75%を、産業副産物である高炉スラグ微粉末に置換することで、モルタル製造に伴うCO₂排出量を、従来比で約71%削減しました。
現場練り方式・工場出荷方式のいずれにおいても対応可能で、環境負荷低減を実現する吹付技術として、幅広い土木分野で活用が期待されます。
引用:2026年9月2日 日特建設株式会社「低炭素型吹付モルタルを(株)大林組と共同開発」
資源循環・木質化
大林組【使用済み木製型枠を再活用した環境配慮型コンクリートを開発】
大林組は、建設現場で使用した木製型枠を原料とするバイオ炭(※1)を、クリーンクリートNの新たな二酸化炭素(CO2)吸収・固定化材料として活用する技術を開発しました。また、このバイオ炭由来の材料を用いたクリーンクリートNを、大林組技術研究所(東京都清瀬市)に建設した実験棟「オープンラボ3(OL3)」のプレキャストコンクリートカーテンウォール(外壁パネル)に初めて適用しました。
引用:2026年9月29日 株式会社大林組「使用済みの木製型枠由来のバイオ炭を活用したクリーンクリートN®を開発」
長谷工コーポレーション【木材とRCを組み合わせた脱炭素型ハイブリッドスラブ工法を開発】
株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:熊野 聡、以下「当社」)は、この度、RC造建物の木質化と施工省力化の両立を実現する「RC×木ハイブリッドスラブ工法」(特許出願中、以下「本工法」)を開発しました。本工法は、RC150㎜厚の床スラブと木部材を組み合わせることで、RC200㎜厚の床スラブと同等の遮音性能を確保しながら、環境配慮型の床構造を実現するものです。
引用:2026年9月4日 株式会社長谷工コーポレーション「RC床スラブの木質化で脱炭素を推進 「RC×木ハイブリッドスラブ工法」を開発 ~RC同等の遮音性能と施工省力化を実現~」
再生可能エネルギー・地熱発電
大成建設【CO2を活用した地熱発電技術の実現可能性調査を開始】
大成建設株式会社(社長:相川 善郎)は、CO2を熱媒体として循環させる次世代型地熱発電技術※1の社会実装を目指し、「カーボンリサイクルCO2地熱発電技術」に関する実現可能性調査(フィジビリティ・スタディ:以下FS)※2に着手しました。
本調査は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が公募した「次世代型地熱発電技術」に関するFSに当社が応募し、2025年12月に採択されたものです。FSを通じて、技術・コスト・事業化ロードマップを総合的に評価し、早期の社会実装を目指します。
引用:2026年9月8日 大成建設株式会社「「カーボンリサイクルCO2地熱発電技術」に関する実現可能性調査に着手」
CO2排出量管理・DX
大林組【大林組、国内建設現場のCO2排出量を一元管理】
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、アスエネ株式会社(本社:東京都港区、社長:西和田浩平)が提供するAIサステナビリティ統合プラットフォーム「ASUENE(アスエネ)」(※1)を2026年4月に国内全ての建設現場に導入しました。ASUENEに、工事情報などの社内データを連携させることで、建設現場におけるCO2排出量を一元管理できる体制を整えました。
引用:2026年9月15日 株式会社大林組「大林組、国内全建設現場のCO2排出量データを一元管理」
建設DX・評価
植木組【工事・DX分野において国土交通省より認定・表彰を受けました】
国土交通省 北陸・関東両地方整備局より、「令和8年度工事成績優秀企業」として認定されました。
北陸地方整備局からは9年連続、関東地方整備局からは3年連続での認定となります。
また、北陸地方整備局より、「令和8年度ICT人材育成推進企業」として5年連続で認定されました。
さらに、関東地方整備局より、当社東京本店が施工した「R6荒川第二調節池地盤改良その1工事」が、「令和7年度 関東インフラDX大賞」を受賞しました。
同工事では、大型地盤改良機の遠隔操作・自動化施工の実地検証に取り組み、安全性の向上や施工の効率化、省人化などを実現したことが評価されました。
引用:2026年09月16日 株式会社植木組「国土交通省より工事・DX分野で認定・表彰を受けました」
9月のまとめ
9月は、低炭素型モルタルや環境配慮型コンクリート、木材を活用したハイブリッド構造など、建設材料の脱炭素化に向けた技術開発と実装が進んだ月となりました。産業副産物や使用済み木製型枠を活用する取り組みも見られ、CO2排出量削減と資源循環を組み合わせた技術が広がっています。
また、CO2を熱媒体として利用する次世代型地熱発電技術の調査や、国内建設現場のCO2排出量を一元管理する仕組みなど、エネルギーとデータ活用の両面から脱炭素を進める動きも見られました。建設DXでは遠隔操作・自動化施工の実証も進んでおり、環境負荷低減と施工効率化を組み合わせた取り組みが今後さらに広がることが期待されます。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
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