建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する取り組みをテーマ別に整理してご紹介します。
6月は、環境配慮型コンクリートの用途拡大や建設副産物の資源循環に関する技術開発が進展したほか、木造建築やCDP評価など企業の脱炭素経営に関する発表も相次いだ月となりました。また、建設現場で発生する廃プラスチックのケミカルリサイクルなど、サーキュラーエコノミーの取り組みも着実に進んでいます。
環境配慮型コンクリート・建設材料
竹中工務店【耐震補強用PCaコンクリートブロック「CUCO®」を開発】
竹中工務店(社長:丁野成人)は、鹿島建設、デンカとともに、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクト(以下、本事業)を実施するコンソーシアム「CUCO(クーコ)」の幹事会社として、コンクリートの製造過程で排出される二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート※1の技術開発を進めています。
本事業の一環で、当社は耐震補強部材「CUCO-耐震補強用PCaコンクリートブロック」を開発し、実証試験として名古屋センタービル(名古屋市中区錦)の地下4階機械室に初適用しました。 本部材は、本事業で開発したCO2を「削減・固定・吸収」するカーボンネガティブコンクリートを、当社独自の耐震補強工法「エストンブロック®工法」※2に活用したコンクリートブロックです。一般的なコンクリート製造時に排出されるCO2と比較して、約120%削減(削減・固定・吸収の合計)を実現しました。また、開発したコンクリートに用いるCCUS材料※3(固定)には廃材である解体ガラを再利用しているため資源循環にも貢献します。
引用:2026年6月22日 株式会社竹中工務店「CUCO®-耐震補強用PCaコンクリートブロック」を開発
大成建設【環境配慮コンクリートを活用した天然石材調建材「T-razzo®」を開発】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、コンクリート内部にCO2を固定し、製造過程におけるCO2収支をマイナスにできる環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」※1を用いて、天然石材調建材「T-razzo®」※2を利用した環境性能と高い意匠性を両立した建材を開発しました。
本製品は、脱炭素という環境性能と、空間を彩る高い意匠性を両立させた独自の内装材です。ユーザー自身が工場で骨材(砕石や貝殻などの素材)を配置する「参加型の制作プロセス(ワークショップ形式)」を導入しているのが最大の特徴です。これまで遠い存在に感じられがちだった「脱炭素技術」を、多くの人に楽しみながら身近に感じていただき、完成品への愛着や企業へのエンゲージメントを高めることを目指した、新しい試みです。
引用:2026年6月17日 大成建設株式会社「環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」を用いて天然石材調建材「T-razzo®」を利用した高い意匠性のある建材を開発」
清水建設【アンモニア放散を抑えるバイオ炭コンクリートを美術館へ適用】
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、木質バイオマスを炭化させたバイオ炭を混合して製造する環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」について、優れたアンモニア放散抑制効果を検証・確認しました。今後、「SUSMICS-Ca」(SUstainable + SMI(炭) + Carbon Storage + Concrete for ammonia)という名称で、CO2削減とアンモニア放散抑制を同時に実現する国内初のソリューションとして、徹底したアンモニアの濃度管理が求められる美術館や博物館、半導体製造施設への適用を進めます。実用化第1号は泉美術館(広島市)で、来年4月に打設予定です。
引用:2026年6月26日 清水建設株式会社「バイオ炭コンクリートのアンモニア放散抑制効果を検証、美術館に適用へ」
資源循環・ケミカルリサイクル
鹿島建設【建設現場の廃プラスチックを対象としたケミカルリサイクルを実証】
鹿島建設株式会社(会長兼社長:押味至一、以下「鹿島」)、株式会社竹中工務店(社長:丁野成人、以下「竹中工務店」)、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(社長:堀切智)のグループ会社である日本通運株式会社(社長:竹添進二郎、以下「日本通運」)、株式会社リファインバースグループ(社長:越智晶、以下「リファインバース」)、株式会社あおぞら(社長:藤井邦彦、以下「あおぞら」)、三菱ケミカル株式会社(社長:筑本学、以下「三菱ケミカル」)の6社は、環境省の公募事業「令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業」として採択された「建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクル実証事業」(以下「本事業」)を完了しました。
引用:2026年6月2日 鹿島建設株式会社「建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクルを実証」
木造・木質化建築
鴻池組【脱炭素社会の実現を目指し、「木造×最新技術」のモデル施設を建設】
株式会社鴻池組(本社 大阪市中央区 代表取締役 渡津弘己)は、西日本メカトロニクスセンター事務所棟(大阪府岸和田市)の建替計画を発表しました。新事務所は、鉄骨と木造を組み合わせた混構造で、木質材料を用いたバイオフィリックデザインを取り入れ、中高層木造建築への実証検証を兼ねたモデル施設として、脱炭素社会の実現に向けた新たな挑戦に取り組みます。
引用:2026年6月9日 株式会社鴻池組「脱炭素社会へ向けた挑戦 「木造×最新技術」のモデル施設を建設」
ESG・サプライチェーン評価
東亜建設工業【CDP「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に3年連続で選出】
東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長: 早川 毅、以下「当社」)は、CDPによる「サプライヤーエンゲージメント評価」において、最高評価である「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に3年連続で選定されました。
CDPは世界有数の環境情報開示プラットフォームを運営する非営利団体で、CDP気候変動質問書への回答企業が対象となる「サプライヤーエンゲージメント評価」は、企業の「ガバナンス」「目標」「Scope3排出量」「バリューチェーン・エンゲージメント」の4つのカテゴリーが評価対象となっています。
なお、当社は2025年12月に公表された気候変動スコアにおいても2年連続「A」を取得しています。
引用:2026年6月1日 東亜建設工業株式会社「CDP「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」(最高評価)に3年連続で選定」
西松建設【CDP 2025「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」の最高評価を3年連続で獲得】
当社は、環境評価を行う国際的なNGO団体 CDP※1から、2025年度の気候変動質問書の「サプライヤーエンゲージメント評価」において、最高評価である「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に3年連続で選定されました。
引用:2026年06月09日 西松建設株式会社「CDP 2025「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に3年連続で選定」
6月のまとめ
6月は、環境配慮型コンクリートの新たな用途開発や高付加価値化が進展したほか、建設副産物を活用した資源循環技術の実証も進んだ月となりました。耐震補強材や内装建材、美術館向けコンクリートなど、脱炭素技術がより幅広い用途へ展開されている点が特徴です。
また、建設現場の廃プラスチックを対象としたケミカルリサイクルや、木造・木質化建築の実証、CDPサプライチェーン評価など、建設業界全体で環境配慮とサステナビリティ経営を推進する取り組みも広がっています。今後は、これらの技術や取り組みがさらなる社会実装へ進展することが期待されます。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。









