私たちリバスタは、【「つくる」の現場から、世界を変える。】をミッションに、建設業界向けのICTソリューションを展開しています。その中で大切にしているのが、お客様との信頼を土台に、課題解決につながる仕組みを共につくる「共創」です。建設現場のCO2排出量可視化サービス「TansoMiru(タンソミル)」も、大成建設株式会社様との共創から生まれたサービスです。
本記事では、「TansoMiru」誕生の背景や、建設業界全体で進むCO2排出量可視化への取り組みとその展望についてご紹介します。内容は、大成建設株式会社の竹尾健一様・髙橋健吾様、リバスタ取締役 執行役員 東へのインタビュー記事をもとにまとめたものです。
なぜ今、建設業界に“共創”によるCO2可視化が求められるのか
建設業界では今、CO2排出量を正確かつタイムリーに把握し、共通のルールで管理していく重要性が高まっています。大成建設様でも、こうした流れを見据え、2021年に建設現場におけるCO2排出量を計測・集計する社内システム「T-CARBON/Watch®」を開発し、運用ノウハウを蓄積してきました。
一方で、現場での集計実務には大きな負担があります。多くの専門工事会社が関わる中で、燃料や電力の伝票を回収し、数値を手入力で転記・集計し、それをもとにCO2排出量を算定する。この“手作業の山”は一社だけの課題ではなく、多くの建設会社に共通する悩みでした。だからこそ、各社が個別に対応を続けるのではなく、業界横断でデータを扱いやすくする共通の仕組みづくりが求められるようになったのです。
ここで重視されたのが、「競争」と「共創」を分けて考える視点でした。CO2排出量削減の技術そのものは各社が磨く競争領域である一方、その土台となるデータ集計の仕組みは、共通化したほうが効率も信頼性も高まる。こうした考えから、大成建設様は、建設業界に特化したサービスを提供するリバスタに声をかけ、業界標準を目指す共創が動き出しました。「TansoMiru」は、2022年12月に共同開発を開始し、2024年4月に正式リリースを迎えています。
▼「TansoMiru」のサービスラインナップ

「TansoMiru 管理」:建設現場・支店・会社単位でCO2排出量を一元管理
「TansoMiru 電力」:建設現場の電力使用に伴うCO2排出量を算定
「TansoMiru 燃料」:重機などの燃料使用に伴うCO2排出量を算定
「TansoMiru 産廃」:産業廃棄物の収集・運搬に伴うCO2排出量を算定
“共創”パートナーはなぜリバスタだったのか
大成建設様がリバスタを共同開発のパートナーに選んだ背景には、リバスタが提供する電子マニフェストサービス「e-reverse.com」を、2007年の提供開始直後から利用してきたという長年の関係に加え、 建設業界に特化してサービスを提供してきた実績がありました。さらに決め手となったのは、難しい相談にも前向きに向き合い、現場に足を運び、使う人の立場で考える姿勢だったと語られています。
現在の「TansoMiru」は、建設現場に特化したCO2排出量の算出・可視化クラウドサービスとして、「管理」「電力」「燃料」「産廃」の4つで構成されています。なかでも”共創”の姿勢を最も象徴しているのが「TansoMiru 燃料」です。建設現場で重機や車両に給油される燃料のデータを現場情報と結び付け、CO2排出量を効率的に算定するこの仕組みは、大成建設様をはじめとする建設会社17社、燃料配送事業者25社(※)の協力のもと、実証実験や協議会を重ねながら形になりました。まさに、サービスを“提供する・される”関係ではなく、関係者が課題を持ち寄って育てた共創の成果です。
実証実験では、モデル現場に「TansoMiru 燃料」を導入し、従来の算定方法と比較検証を実施しました。その結果、「TansoMiru 燃料」で算定した燃料使用量は従来方法の約半分となり、現場の実態に即した、より正確な数値を把握できる可能性が確認されました。また、協議会では参加企業同士が課題や改善点を率直に意見交換できる場づくりも進められ、現場の声がサービス設計そのものに反映されていきました。
▼実証実験の成果(リバスタ発表のプレスリリースより抜粋)

(※)2025年12月時点の社数
“共創”が拓く、建設現場のCO2排出量可視化の次の一歩
共創の価値は、サービス開発にとどまりません。2026年1月には、大成建設様の「T-CARBON/Watch®」と「TansoMiru 燃料」のデータ連携が実現し、現場の燃料購入情報を自動で取り込めるようになりました。これにより、大成建設様が受け取るデータ量は2倍以上に増加し、自動入力されるデータの割合が高まったことで、CO2排出量集計業務の効率化と精度向上の両立にも手応えが生まれています。
この取り組みが示しているのは、建設現場のCO2可視化は一社だけで完成するものではない、ということです。自動入力できるデータを増やし、現場の負担を減らし、実態に近い数値を継続的に把握できるようにするには、建設会社、燃料配送事業者、サービス提供者が立場を超えて対話し、改善を積み重ねていく必要があります。共創とは、単なる開発手法ではなく、業界全体の課題に向き合うための前提そのものだといえます。
▼大成建設様発表のプレスリリース(2026年1月7日発表)より抜粋

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リバスタは今後、建設発生土の収集・運搬に伴うCO2排出量算定など、まだカバーしきれていない領域への対応や、自動入力のさらなる拡大も見据えています。その実現にも、大成建設様をはじめとする建設業界の皆さまとの共創が欠かせません。リバスタはこれからも、対話と改善を重ねながら、業界全体のCO2排出量削減につながる「可視化基盤」を育てていきます。

大成建設株式会社
サステナビリティ経営推進本部 カーボンニュートラル推進部 部長 竹尾健一様(写真中央)
サステナビリティ経営推進本部 カーボンニュートラル推進部 環境技術室 課長 髙橋健吾 様(写真左)
株式会社リバスタ
取締役 執行役員 サステナビリティ事業本部長 東修平(写真右)
※本記事は2026年4月に、リバスタ公式noteで公開した記事を一部編集して掲載しています。リバスタ公式noteには全文を掲載しています。よろしければ下記よりご一読ください。
前編)https://note.com/rvsta/n/nc67d7cf2762e
後編)https://note.com/rvsta/n/n7791316f08ac

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。









