建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する取り組みをテーマ別に整理してご紹介します。
4月は、CO2固定コンクリートや環境配慮型建材の実装がさらに進展したほか、水素・再エネ・PPAなどエネルギー領域の取り組みも広がりを見せた月となりました。加えて、浮体式洋上風力やGX研究など中長期的な脱炭素インフラへの投資・研究も加速しています。
再生可能エネルギー・PPA・エネルギー活用
竹中工務店【建設現場にフィジカルPPA由来の再エネ電力を導入】
竹中工務店(社長:丁野成人)は、建設現場における電力使用に伴うCO2排出量削減を目的として、大和ハウスグループのエネサーブ株式会社(社長:井上博司)とフィジカル PPA※1(Power Purchase Agreement:電力購入契約)を締結しました。
2026年4月より、東京本店管内において電力を高圧で受電する建設現場23件に導入を開始しました。本契約により再生可能エネルギーの安定的な調達と建設プロセスの脱炭素化を強化していきます。
引用:2026年4月6日 株式会社竹中工務店「フィジカルPPAによる再エネ電力を建設現場へ導入」
大成建設【太陽光発電のみで建物を運用、蓄電池と低圧水素貯蔵設備で実証】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、当社技術センター「人と空間のラボ(ZEB実証棟)」(横浜市戸塚区)において、太陽光発電のみで建物に必要な電力を賄う運用を実証しました。蓄電池と低圧水素貯蔵設備を制御するエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)を用い、余剰電力を最適に貯蔵・利用することで、建物運用に必要なエネルギーの自立が可能であることを確認しました。
引用:2026年4月16日 大成建設株式会社「蓄電池・低圧水素貯蔵設備を用いた”太陽光発電のみによる建物運用”を実証」
水素・代替エネルギー
清水建設【CO2フリー水素(廃棄物発電由来)で施設消費エネルギーの脱炭素化を推進】
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、水素エネルギーのさらなる利用拡大に向け、自社のイノベーション拠点「温故創新の森 NOVARE」(東京都江東区、以下「NOVARE」)で運用している建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」に供給するオフサイト水素として、産業廃棄物発電を利用して製造された“サーキュラー水素”を活用する取り組みを開始しました。サーキュラー水素は産業廃棄物処理事業を手掛けるジャパンウェイスト(株)から調達します。2026年度内にまず約4,200m3のサーキュラー水素を受け入れ、施設消費エネルギーの脱炭素化に活用する計画です。
引用:2026年4月15日 清水建設株式会社「廃棄物発電由来のCO2フリー水素を施設消費エネルギーの脱炭素化に活用」
大林組【出光興産との協働でカーボンクレジット付き燃料を活用し認証取得】
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:酒井則明)と連携し、環境省が指針を提供するカーボン・オフセット第三者認証プログラム(※1)に基づく認証を取得しました。認証取得にあたっては、大林組が国内の建設現場で使用する軽油の一部を、出光興産が供給するJ-クレジット(※2)付き燃料油「出光カーボンオフセットfuel J(ICOFJ)」(※3)に置き換えることで、燃料使用に伴うCO2排出量のカーボン・オフセットを実施しました。
引用:2026年4月23日 株式会社大林組「出光興産と連携し、カーボンクレジット付き燃料を活用した認証取得事例」
低炭素建材・資源循環
竹中工務店【建物基礎に「CUCO®-CO2固定地盤改良」を初導入】
竹中工務店(社長:丁野成人)は、鹿島建設、デンカとともに、NEDO※1のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクト(以下、本事業)を実施するコンソーシアム「CUCO®(クーコ)」の幹事会社として、コンクリートの製造過程で排出される二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート※2の技術開発を進めています。
今般、竹中工務店は、本事業の成果として、コンクリート解体ガラから再生した微粉を炭酸化したCO2固定微粉(CCU※3材料)を活用した地盤改良技術「CUCO-CO2固定地盤改良」を、福岡県古賀市で建設中の物流施設「古賀ロジスティックスセンター」の新築工事に適用しました。
引用:2026年4月17日 株式会社竹中工務店「建物基礎に「CUCO®-CO2固定地盤改良」を初適用」
鹿島建設【環境配慮型コンクリート2種類を国土交通省の直轄工事へ大量導入】
鹿島(会長兼社長:押味至一)は、山鳥坂ダム仮排水トンネル工事(愛媛県大洲市)に、鹿島らが開発した2種類の環境配慮型コンクリートを大量に適用しました。「ECM(エネルギー・CO2・ミニマム)コンクリート®」を912.4m3、「CO2-SUICOM®」(シーオーツースイコム)製の埋設型枠を273枚(163.8m2)導入することで、当初計画のコンクリートで施工した場合と比較し、CO2排出量を約45t削減しました。
引用:2026年4月9日 鹿島建設株式会社「2種類の環境配慮型コンクリートを国土交通省の直轄工事に大量適用」
前田建設工業【「グリーン骨材コンクリート」、基礎躯体に採用】
前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田操治、以下「当社」)は、砂町アスコン株式会社東京合材工場(本社:東京都江東区、代表取締役:長尾克久、以下「砂町アスコン」)内のアスファルトタンク基礎築造工事において、現場から回収し、再生した材料を用いた環境配慮型材料である「グリーン骨材」を使用したコンクリートを構造耐力上主要な部分である『基礎躯体』に提案し、設計・監理者である株式会社アート総合設計(静岡県袋井市)の承認を受け、2025年12月~2026年1月にかけて156m³の打設を完了しました。
引用:2026年4月6日 前田建設工業株式会社「基礎躯体に「グリーン骨材コンクリート」を採用」
大成建設【脱炭素コンクリート研究拠点「SuRACeM」、香川で開設】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、香川大学イノベーションデザイン研究所(所長:筧善行)、大成生コン株式会社(社長:三宅淳也)、阿南工業高等専門学校(校長:大和田恭子)と共同で、2026年4月1日より、香川県科学技術研究センター(以下、FROM香川)内に、脱炭素コンクリート研究拠点「SuRACeM(Sustainable and Resilient Advanced Cementitious Materials)研究グループ」を開設しました。
本拠点では、地域の未利用資源を活用した脱炭素コンクリートや建設材料の研究開発を基に社会実装モデルを確立し、建設分野のカーボンニュートラルの実現を目指します。
引用:2026年4月8日 大成建設株式会社「香川発、脱炭素コンクリート研究拠点「SuRACeM」を開設」
洋上風力・インフラ開発
清水建設【浮体式洋上風力事業の受注に向け、アイルランドDOT社と連携合意】
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、アイルランドの海洋技術スタートアップ「Dublin Offshore Technology(以下、DOT)」と、アジア太平洋地域における浮体式洋上風力発電プロジェクトへの参画に向けた戦略的協業覚書(MOU)を締結しました。当社は3年以上にわたり同社と技術協力関係にあり、MOUの締結と同時に同社へ出資。今後、一致協力して市場をリードしていく考えです。
引用:2026年4月3日 清水建設株式会社「浮体式洋上風力の受注に備えアイルランドDOT社とMOU締結」
五洋建設【東京大学と契約締結、浮体式洋上風力の社会連携研究部門を設置】
五洋建設株式会社(社長:清水琢三)は、国立大学法人東京大学(総長 藤井輝夫)と、東京大学浮体式洋上風力エネルギーと関連技術国際連携研究機構(UT-FloWIND)内に、「浮体式洋上風力の施工・運用イノベーション社会連携研究部門」を設置することに合意し、契約を締結しました。設置期間は2026年5月1日から2031年3月31日までの約5年間を予定しています。
引用:2026年4月22日 五洋建設株式会社「東京大学と「浮体式洋上風力の施工・運用イノベーション社会連携研究部門」の設置契約を締結」
戸田建設【五島沖浮体式洋上風力、風車8基の命名者を招き発電所見学会を実施】
五島フローティングウィンドファーム合同会社は、2026年1月5日より商用運転を開始した浮体式洋上風力発電所「五島洋上ウィンドファーム(以下、本発電所)」にて、各風車8基の命名であるこどもたちを招いた発電所視察会を(2026年4月5日に)開催したことをお知らせいたします。
引用:2026年4月6日 戸田建設株式会社「五島市沖浮体式洋上風力発電事業 各風車8基の命名者を招いた発電所視察会を開催」
評価・登壇
三井住友建設【「CDPアワード・ジャパン2026」で講演】
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、国際的な環境評価機関CDP※ が実施する「CDP 2025」において、「気候変動」および「水セキュリティ」の2分野で最高評価となる「Aリスト」に選定され、3月17日(火)に開催された「CDPアワード・ジャパン2026」の表彰式に出席しスピーチを行いました。
引用:2026年4月3日 三井住友建設株式会社「CDPアワード・ジャパン2026に登壇」
4月のまとめ
4月は、CO2固定コンクリートや環境配慮型材料の実装が一気に進展した月でした。特に、地盤改良やダム工事などインフラ領域での適用が進んでいる点は重要な変化です。
また、再エネ・水素・PPAといったエネルギー領域の取り組みも拡大し、建設プロセス全体での脱炭素化が現実的なフェーズに入っていることが示されています。加えて、洋上風力や研究開発など中長期視点の投資も進んでおり、今後はこれらをどのようにスケールさせるかが焦点となります。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
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