ニュース

脱炭素の取り組みが評価ポイントに!東京都の工事成績評定の加点まとめ

脱炭素の取り組みが評価ポイントに!東京都の工事成績評定の加点まとめ

2021年4月に、菅内閣総理大臣は米国主催の気候サミットで、2030年度に温室効果ガスを2013年度に比べて46%削減することを目指すことを宣言しました。脱炭素に国が本腰を入れて取り組み始めたのです。

それを受けて、公共工事の工事成績評定にも脱炭素の取り組みが加点要素として取り入れられるようになってきています。次の受注につなげるためにも、工事成績評定の加点要素は把握しておきたいですよね。

そこで、東京都の工事成績評定の評価ポイントとなる脱炭素の取り組みを紹介します。

工事成績評定とは

工事成績評定とは、公共工事において工事成果を評価する制度のことで、評価の高い工事をする=受注に有利になるという仕組みです。

発注側からは品質の良い工事をしてくれる業者がどこか、コストパフォーマンスよく工事をしてくれる業者はどこか、技術力がある業者はどこか、といったことがわかります。

また、工事の品質を向上させることにメリットがあるため、業者の技術力向上も期待できるでしょう。

施工業者から見れば、品質を高めようと努力した結果、工事の成績が良ければ、次の工事の受注につながります。努力が報われやすい制度とも言えるでしょう。

一般的な工事成績評定の要素

一般的な工事成績評定では主に3つの点から評価されます。施工体制、現場管理状況、施工管理状況です。

施工体制では、工事の請負書類に必要なことが記入されているか、人員配置や機械の配置が適切かといったことが確認されます。現場管理状況では工事現場の安全教育や点検状況、実施工程のとおりに工期内に工事が完了したかなどが見られます。

施工管理状況は品質管理記録が適切か、工事の出来栄えは良好かがチェックされます。

主要な3つの評価項目以外にも、技術力、創意工夫、社会的貢献、法令遵守という項目で工事の成績は変わります。

(画像出典:東京都財務局 工事成績評定

なぜ脱炭素が評価されるのか

では、なぜ脱炭素の取り組みが工事成績評定で評価されるのでしょうか。答えは、社会的な貢献が大きいからです。

環境負荷の少ない材料を使ったり、環境負荷の少ない施工方法を採用したりすると、社会課題の解決に貢献しているので加点対象になります。

(画像出典:東京都財務局 工事成績評定

東京都の脱炭素の評定加点要素

東京都は、平成12年に環境マネジメントシステム国際規格ISO14001の認証を取得し、環境配慮の推進を行っています。そして、2030年までに都内の温室効果ガス排出量を50%に削減する「カーボンハーフ」を目指しています。加点対象となる具体的な方法は示されていませんが、脱炭素の取り組みは加点要素にすると公表しています。では、どんな脱炭素の取り組みが評価されやすいのでしょうか。
※参照:東京都環境局「東京都環境マネジメントシステム要綱」URL下部記載

省エネ利用をさらに進める

1つは省エネをさらに進めることです。窓やドアは断熱の弱点となっており、古い建物ほど顕著です。高断熱に改修すれば、エアコンなどの電気代も節約できてCO2の削減が期待できます。また、高効率な省エネ家電も有効です。家電製品は年々進歩しています。換気効率の良い空調設備を取り入れるだけでも大きな省エネになります。

(画像出典:東京都環境局 2030年カーボンハーフに向けた取り組みの加速 ※URL下部記載)

エネルギー有効利用計画

エネルギーを有効利用することも大切です。たとえば、東京都では太陽光パネルを設置することを推奨しています。太陽光発電を設置して蓄電池とセットで使うと、再生可能エネルギーによる発電量が増え、化石燃料由来の電力を購入した場合よりもCO2の排出が削減できます。

低炭素資材利用への転換

他には、低炭素資材を利用することです。たとえば、重機に使う軽油をバイオ燃料と混合したり、代替することで脱炭素に貢献できます。

また、低炭素型セメントを利用したコンクリートを使用することも考えられます。

評定に影響する脱炭素の取り組み事例

東京都は2023年1月に、総合評価方式による工事の発注で、SBTやエコ・ファースト制度を技術点の加点要素にすると発表しました。工事成績評定に確実に影響するため、大手の建設会社が取り組んでいるSBTやエコ・ファースト制度について説明します。

SBTのコミット企業になる

工事成績評定で加点してもらうには、SBTのコミット企業になることです。

SBTのコミット企業とは、2年以内にSBT認定を取得すると宣言した企業で、科学的根拠に基づいて温室効果ガスの排出量の目標設定をします。大企業だけでなく中小企業向けのSBTもありますので、会社の規模に関わらず取得が検討できるでしょう。

※参照:令和4年度 東京都入札監視委員会
※参照:中小企業基盤整備機構 J-Net21「カーボンニュートラルをめざすSBTには中小企業も参加できますか。」URL下部記載

エコ・ファースト認定を取得する

エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対して、環境保全に関する取り組みをすると約束し、その取り組み内容を審査されて認定される制度です。会社によって取り組み内容は異なり、建設会社だけでなく様々な業種の会社が取得しています。

エコ・ファースト認定を受けることで、工事成績評定の加点になるだけでなく、対外的に脱炭素を推進しているとアピールできるので、新規受注のきっかけにもなるでしょう。

(画像出典:環境省 エコ・ファースト制度について

まとめ

この記事では、工事成績評定とはどんなものか、工事成績評定の評価ポイントとなる脱炭素の取り組みについて、東京都を例に紹介しました。

脱炭素の取り組みは全国的に広がり始めています。知らないと恥ずかしいという世界がすぐそこにせまっています。

この記事をきっかけに、建設業界における脱炭素への興味を持ち、理解を深めてみませんか。

リバスタは、建設業界のCO2算出や改善に取り組んでいます。ぜひお気軽にご相談ください。

お問合せはこちら

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

建設業界向けの脱炭素対策資料はこちら!

お役立ち資料

注目記事

循環型社会形成に貢献していくことが使命 大栄環境グループ共同土木が目指す これからの廃棄物処理のあり方とは—
業界事例

循環型社会形成に貢献していくことが使命 大栄環境グループ共同土木が目指す これからの廃棄物処理のあり方とは—

ピーエス・コンストラクションの脱炭素への取り組みと 「TansoMiru管理」導入によるCO2排出量可視化効果
業界事例

ピーエス・コンストラクションの脱炭素への取り組みと 「TansoMiru管理」導入によるCO2排出量可視化効果

AI活用で工事費・建物のCO2排出量を算定 新ツールがもたらす木内建設のDXと脱炭素戦略
業界事例

AI活用で工事費・建物のCO2排出量を算定 新ツールがもたらす木内建設のDXと脱炭素戦略

みらい建設工業 CO2排出量の可視化で脱炭素施策を推進 「TansoMiruサービス」導入エピソード
業界事例

みらい建設工業 CO2排出量の可視化で脱炭素施策を推進 「TansoMiruサービス」導入エピソード

全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会が目指す 建設現場における脱炭素への貢献
業界事例

全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会が目指す 建設現場における脱炭素への貢献

記事の一覧はこちら

本ウェブサイトを利用される方は、必ず下記に規定する免責事項をご確認ください。
本サイトご利用の場合には、本免責事項に同意されたものとみなさせていただきます。当社は、当サイトに情報を掲載するにあたり、その内容につき細心の注意を払っておりますが、情報の内容が正確であるかどうか、最新のものであるかどうか、安全なものであるか等について保証をするものではなく、何らの責任を負うものではありません。
また、当サイト並びに当サイトからのリンク等で移動したサイトのご利用により、万一、ご利用者様に何らかの不都合や損害が発生したとしても、当社は何らの責任を負うものではありません。

目次