建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをリバスタ編集部がトピックスごとにまとめてご紹介します。
10月は、CO2削減技術の進展と再エネ・資金調達の多様化が目立った月となりました。「カーボンネガティブコンクリート」や「CO2吸収型ブロック」、さらには「グリーンボンド」など、企業の環境配慮への取り組みがより実践的・事業的なフェーズに移行していることがうかがえます。
脱炭素に向けた取り組み評価
株式会社竹中工務店【国連が運営する環境技術プラットフォーム「WIPO GREEN」のパートナーに加盟】
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、2025年9月、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization※、以下、WIPO)が運営する、環境技術の国際的なマッチングプラットフォーム「WIPO GREEN」のパートナーに登録されました。環境関連の先進的で持続可能な技術を保有する組織・企業が、自らの技術を「WIPO GREEN」データベースに公開することにより、その技術を求める組織や企業とのマッチングが実現できます。
引用:2025年10月1日 株式会社竹中工務店「国連の環境技術プラットフォーム「WIPO GREEN」パートナーに登録」
株式会社鴻池組【環境に配慮したEXPOナショナルデーホール施工が表彰】
株式会社鴻池組(大阪市中央区 代表取締役社長:渡津 弘己)は、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」)会場における、EXPO ナショナルデーホールの建設で環境配慮型施工に取り組みました。この一連の取り組みが、2025年日本国際博覧会協会(以下「博覧会協会」)による「持続可能な取り組みに関する表彰」に選ばれました。
引用:2025年10月15日 株式会社鴻池組「EXPO ナショナルデーホールの環境配慮型施工が「持続可能な取り組みに関する表彰(調達部門)」で表彰されました」
CO2対策に関する技術開発
株式会社大林組【CO₂排出量を製造段階で67%削減する「クリーンクリート®PC床版」を開発】
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、低炭素型のコンクリートを橋梁向けのプレキャストPC床版に適用できるように初期強度を高めた「クリーンクリートPC床版」を開発しました。
引用:2025年10月10日 株式会社大林組「製造時CO2排出量を67%削減するプレキャストPC床版「クリーンクリート®PC床版」を開発」
東急建設株式会社【CO₂吸収によりカーボンネガティブを達成するコンクリート「ゼロクリート」を開発】
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の実現に向けたロードマップを策定しました。ロードマップには、同ビジョンに基づき各種施策を展開している「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の3分野について、2030年・2040年時点の中間目標を含む2050年までの環境KPIを掲げ、それらの実現に向けた各種施策の展開プロセスを落とし込みました。
引用:2025年10月6日 東急建設株式会社「カーボンネガティブを実現するコンクリート「ゼロクリート」を開発」
鹿島建設株式会社【環境配慮型「CO₂-SUICOM」大型擁壁を高速道路工事で初導入】
鹿島(社長:天野裕正)は、CO2を吸収・固定するコンクリート「CO2-SUICOM®」(シーオーツースイコム)を用いて製造した大型ブロック擁壁を開発・実用化し、新名神高速道路建設工事において初めて適用しました。
これまでCO2-SUICOMは、小型のプレキャストコンクリート製品(PCa製品)を中心に展開してきましたが、このたび材料や配合、製造方法を見直したことにより、大型のPCa製品の製造が可能となりました。本工事では、大型ブロック擁壁180個の設置を予定しており、全ての設置が完了すると従来製品を使用した場合と比較して、1.4tのCO2を吸収・固定でき、セメント量を低減する効果と併せると約13tのCO2削減を実現します。
引用:2025年10月9日 鹿島建設株式会社「CO2-SUICOM製の大型ブロック擁壁を高速道路工事に初適用」
三井住友建設株式会社【「サスティンGeo®」を既存杭撤去後の埋戻しへ初導入】
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、産業副産物を活用した地盤改良材「サスティンGeo®」を、都内の大規模再開発事業※1において、既存杭撤去後の杭孔の埋戻しに初適用しました。
本適用では深度約15mの杭孔を対象とし、従来材料を使用した場合と比較して、約8割のCO₂排出量削減を実現しました。
引用:2025年10月22日 三井住友建設株式会社「サスティナブルな地盤改良材「サスティンGeo®」を 既存杭撤去後の埋戻しに初適用」
株式会社安藤・間【大阪・関西万博『未来の都市』パビリオン内CPコンクリート展示が来場者30万人を突破】
安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷一彦)が幹事会社であるCPコンクリート(注1)コンソーシアム(以下CPCC)は、大阪・関西万博の「未来の都市」パビリオン内にて、CPコンクリートが実現する、未来の都市の姿を体験できるアトラクション「パラレルツアー」を提供し(注2)、脱炭素社会への貢献を目指して開発を進めているCPコンクリートについて、来場者に知っていただく機会としてきました。
万博開幕以来、連日多くの方々にCPCCの展示プレイスへご来場いただき、ついに閉幕直前の10月9日、来場者数が30万人を突破しました(注3)。当日は記念セレモニーを開催し、30万人目となった来場者に記念品として、4gのCO2を“食べて重くなる”CPコンクリート製のひよこ等をプレゼントしました。
引用:2025年10月10日 株式会社安藤・間「大阪・関西万博「未来の都市」パビリオン内「CPコンクリートコンソーシアム」展示プレイスへの来場者数が30万人を突破」
環境問題に対応した建築物・建造物
西松建設株式会社【都市型コンパクトオフィス『NCO浜松町』竣工】
当社は、東京都港区浜松町一丁目に都市型コンパクトオフィス『NCO浜松町』を竣工しました。
本物件は、コンパクトでありながら開放感のあるワークプレイスを実現するため、天井高を3mとし、無柱かつ整形の執務空間としました。また「ZEB Ready」※1の取得や、港区緑化計画に基づいた植栽計画など環境に配慮したオフィスビルとしています。
引用:2025年10月23日 西松建設株式会社「都市型コンパクトオフィス『NCO浜松町』竣工」
株式会社大林組【「創エネ・あかりパーク」で木造・木質建築のカーボンニュートラル推進を紹介】
大林組は、10月30日から11月3日までの5日間にわたって東京・上野恩賜公園で開催される「創エネ・あかりパーク2025」に出展します。
「創エネ・あかりパーク」では、世界的に著名な照明デザイナー・石井幹子氏のプロデュースにより、上野公園の噴水広場を舞台に、地球にやさしいグリーン電力を使った幻想的なライトアップと、新しいエネルギーをテーマにしたさまざまな展示や催しが行われます。
大林組の出展テントでは、木材利用を促進する「自然共生の循環型モデル『Circular Timber Construction®』」(※1)や、「森と共に生きる木造循環型都市『LOOP50』構想」、大林組の施工実績などをご紹介します。
引用:2025年10月16日 株式会社大林組「創エネ・あかりパーク」イベントでカーボンニュートラルの実現に資する木造・木質建築の取り組みを紹介」
代替エネルギーに関するサービス・設備
前田建設工業株式会社【富士市東部浄化センター太陽光発電設備導入事業(PPA)営業運転開始】
前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「当社」)は、当社を代表企業、とし、株式会社NJS(本社:東京都港区、社長:村上雅亮)を構成企業とする「ふじサンエネルギー合同会社」が運営を行う「ふじサンエネルギー発電所」の建設工事が完了し、2025年10月1日から営業運転を開始しましたことお知らせいたします。
引用:2025年10月21日 前田建設工業株式会社「静岡県富士市「富士市東部浄化センター太陽光発電設備導入事業(PPA)」ふじサンエネルギー発電所 営業運転開始について」
脱炭素に向けた事業展開
清水建設株式会社【「SHIMZ Beyond Zero 2050」実現に向け、環境ロードマップを策定】
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の実現に向けたロードマップを策定しました。ロードマップには、同ビジョンに基づき各種施策を展開している「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の3分野について、2030年・2040年時点の中間目標を含む2050年までの環境KPIを掲げ、それらの実現に向けた各種施策の展開プロセスを落とし込みました。
引用:2025年10月17日 清水建設株式会社「環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の実現に向けロードマップを策定」
清水建設株式会社【建設現場の廃プラスチックを新築建材に再利用】
清水建設(株)<社長 新村達也>は、建設現場における資源循環の取り組みの一環として、現場で発生したプラスチック廃棄物を同じ現場で使用する新築建材の原材料として再生利用する取り組みを開始します。取り組みの初弾として、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」の建設現場を対象に、現場由来の再資源化材で製造したOAフロア部材を新築建材として活用する「Site to Site」型のマテリアルリサイクルを実践します。
引用:2025年10月8日 清水建設株式会社「建設現場で発生した廃プラスチックを新築建材として再生利用~廃プラを原材料に製造したOAフロア部材を排出現場に還流~」
株式会社熊谷組【環境経営推進へ、当社初のグリーンボンドを発行】
株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:上田真)は、環境の持続可能性に貢献する事業の資金調達手段として、当社初となるグリーンボンドを2025年10月に発行いたします。
引用:2025年10月1日 株式会社熊谷組「当社初となるグリーンボンド発行に関するお知らせ」
10月は、建設業界全体で「環境配慮の定常化」が明確に見られた月でした。
CO2削減コンクリートの技術革新に加え、グリーンファイナンスや再エネPPAなど、サプライチェーン全体での脱炭素化が具体化しています。
今後は、こうした「実装型のサステナビリティ」が、企業価値や競争力の新たな指標となることが期待されます。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。







