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「ゼロカーボン北海道」とは、建設業への影響は?

北海道では、全国に先駆けて脱炭素に向けた包括的な政策「ゼロカーボン北海道」を展開しています。その中でも特に注目されるのが、公共工事におけるCO₂排出量を評価軸とする“加点評価制度”の導入です。これにより、建設現場での環境対応が実質的な入札評価に影響を与えるようになり、元請会社や地場ゼネコン、地域施工者にとっても「脱炭素対応=競争力強化」となる時代が到来しています。
政策背景と北海道の動き(国政と地域政策の連動)
2020年、当時の菅首相が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、国として脱炭素を成長戦略の柱に位置づけました。この背景には2015年の「パリ協定」の目標(気温上昇を1.5度程度に抑制)があります。
実はその国の方針に先駆けて、北海道は2020年3月に「ゼロカーボン北海道」を表明しており、これは「骨太の方針2021」にも反映されています。つまり、地域発の先進事例として、北海道の取り組みは国の制度とも整合性を持つ重要なモデルなのです。
出典:CAN-JAPAN/菅首相、2050年カーボン・ニュートラル目標を宣言 パリ協定1.5℃目標に整合する2030年目標の設定が急務(2020年10月27日)
出典:内閣府/経済財政運営と改革の基本方針2021 について
ゼロカーボン北海道の実務的施策と建設業との接点
北海道は2023年、「ゼロカーボン北海道 取組事例集」を公表しました。そこでは次の3ステップを推奨しています:
- 自身の排出量を把握
- 省エネの徹底
- 再生可能エネルギーへの転換
建設業の現場にとって重要なのは、省エネ設備(LED照明や断熱材)、EV導入、エコドライブ等の施策が数値付きで可視化されている点です。これにより、自社工事にどのような影響・投資対効果があるかが判断しやすくなっています。
建設業界の注目施策:「北海道インフラゼロカーボン試行工事」

北海道では公共工事の発注制度において、環境配慮型の取り組みに対し加点評価を行う「インフラゼロカーボン試行工事」を実施中です。
- 対象部門:北海道建設部、農政部、水産林務部の発注工事
- 評価方法:受注者が提案した環境施策を現場で実施すれば、「地域への貢献」項目で加点
- 実績(2025年3月末現在。道のみ):
- 対象:2,928件中2,426件(83%)が実施
- 請負金額合計:2,149億円
- 最多実施部門:建築局(実施率91%)、建設管理部(請負金額1080億円)
この制度は、元請会社や地場ゼネコン、地域施工者まで、すべての建設会社が「評価される環境配慮」を戦略的に導入するきっかけになります。
広大な地域性を活かした今後の展望
北海道は、太陽光・風力・バイオマスといった再生可能エネルギーのポテンシャルに恵まれています。今後はこれらを活用した“地域発の再エネモデル”が、民間建設工事や開発プロジェクトへ波及する可能性があります。
また、再エネインフラ整備に関連する新たな需要(造成・建築・メンテナンス)も生まれており、地域建設業者にとっては次世代建設業への転換機となるでしょう。
まとめ:地域脱炭素×建設現場から生まれる変化
北海道が進めるゼロカーボン政策は、単なる行政施策にとどまらず、建設業界の新しい競争軸を生み出しています。
インフラ工事と脱炭素の融合は、今後ますます評価制度に組み込まれ、「どれだけCO₂を削減できるか」が受注・選定の重要要素となっていきます。
地域建設業こそ、気候変動対応の最前線で価値を発揮できる存在です。北海道の動向は、その可能性を強く示しています。
北海道に限らず、今や建設業界全体で「CO₂排出量の見える化」と「削減の取組」が求められています。
入札評価や工事成績評定だけでなく、発注者からの信頼確保の観点からも、現場単位でのCO₂管理は喫緊の経営課題となりつつあります。
リバスタでは、建設業に特化したCO₂排出量算定・可視化クラウドサービス「TansoMiru(タンソミル)」を提供しています。
「どの現場で、どれだけCO₂を出しているのか」──その見える化から、削減アクションが始まります。
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この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。








