建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する取り組みをテーマ別に整理してご紹介します。
今月は、低炭素建材の開発・社会実装が加速するとともに、再生可能エネルギーの活用やGX推進の動きも広がりを見せた月となりました。特に、CO₂削減コンクリートや耐火材など「建設材料」の脱炭素化が顕著であり、現場レベルでの実装が進んでいる点が特徴です。
また、海外における再エネ事業や評価・表彰の動きも見られ、脱炭素経営の多面的な進展が確認されました。
再生可能エネルギー・エネルギーマネジメント
竹中工務店【集合住宅向け「I.SEM®」導入で太陽光の余剰電力を38%削減】
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、集合住宅における太陽光発電の自家消費率向上を目的としてヒートポンプ給湯器(以降、HP給湯器と略す)の稼働を最適化する「集合住宅版I.SEM®※」を、次世代型健康住宅「代々木参宮橋テラス」(東京都渋谷区、2023年2月竣工)に導入しました。2023年4月~2024年3月の1年間にわたるデータを収集、分析した結果、余剰電力を38%削減したことを確認しました。
当社は、今後、集合住宅・ホテルなどの建築計画において、再生可能エネルギーの自家消費率向上や多様な電源リソースを最大限活用し、脱炭素社会に向けた社会やユーザーの課題解決に貢献するソリューションの開発を推進していきます。
引用:2026年3月18日 株式会社竹中工務店「集合住宅版I.SEM®の導入で太陽光発電の余剰電力を38%削減」
大林組【ニュージーランドで地熱発電所「TOPP2」が開業】
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、大林グループが出資するニュージーランドの再生可能エネルギー発電事業者 Eastland Generation Limited(以下、「EG社」、所在地:ニュージーランド カウェラウ市、CEO:Alice Pettigrew)が開発を進めてきた地熱発電所「TOPP2 (発電容量:49MW)」について、2026年3月20日に開所式を行い、開業したことをお知らせします。
引用:2026年3月26日 株式会社大林組「ニュージーランドにおいて地熱発電所『TOPP2』が開業」
低炭素建材・資源循環
安藤ハザマ【CPコンクリートコンソーシアムと日野市が連携協定を締結、「西平山あそびば」と豊田駅前に施工】
CPコンクリートコンソーシアム(CPCC)(注1)と日野市(東京都)は、地域社会の持続可能性を高めるための気候変動対策として連携協定を締結し、2026年4月にオープン予定の日野市の「西平山あそびば」において、CPCCが開発に取り組んでいる二酸化炭素(CO₂)を吸収・固定するCPコンクリート(注2)を使用して、ベンチの製作や、スロープおよび駐車場の舗装を行いました。また、豊田駅前のバスベイにおいて、CPコンクリートを使って製造したプレキャスト鉄筋コンクリート版(PRC版)の施工を行いました。この取り組みは、実際にCPコンクリートを地域で使用することにより、社会実装の推進を目的としています。
引用:2026年3月3日 株式会社安藤・間「CPコンクリートコンソーシアムと日野市が連携協定を締結し、「西平山あそびば」と豊田駅前にCPコンクリートを施工」
安藤ハザマ【滋賀県とCPコンクリートコンソーシアムが連携、姉川護岸工事に採用】
CPコンクリートコンソーシアム(以下、CPCC)(注1)と滋賀県は、環境に配慮した地域社会の実現に向けて連携し、滋賀県姉川の護岸工事(2026年3月竣工)において、CO₂を吸収・固定するCPコンクリート(注2)を使用した根固めブロックの製造を行い、設置しました
引用:2026年3月26日 株式会社安藤・間「CPコンクリートコンソーシアムと滋賀県が連携し、姉川護岸工事に環境配慮型のCPコンクリートを施工」
安藤ハザマ【バイオスマートコンクリート「BiSCo®」を海上桟橋に試験適用】
安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷一彦)は、静岡理工科大学(所在地:静岡県袋井市、理工学部土木工学科教授:西田孝弘)、愛媛大学(所在地:愛媛県松山市、同大学大学院理工学研究科理工学専攻教授:河合慶有)および港湾空港技術研究所(所在地:神奈川県横須賀市、構造研究領域主任研究官:小池賢太郎)と共同で、微生物を高度利用したバイオスマートコンクリート®「BiSCo®(Bio-Smart Concrete®)」(注1)の開発を進めています。
引用:2026年3月24日 株式会社安藤・間「バイオスマートコンクリート®「BiSCo®」を海上桟橋に試験適用」
安藤ハザマ【低炭素セグメント®をシールド工事に適用】
安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷一彦)は、安藤ハザマ興業株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:田渕勝彦)で製造した「低炭素セグメント®」(注1)を当社が施工中のシールド工事に適用し、CO₂排出量の削減効果と実現場での汎用性について確認しました。
引用:2026年3月4日 株式会社安藤・間「低炭素セグメント®をシールド工事に適用」
大成建設【CO2排出を最大80%削減する新型耐火被覆材「T-eCon®/ロックウール」を開発】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、材料製造時のCO2排出量を大幅に削減できる環境配慮型の新しい耐火被覆材「T-eCon/ロックウール」を開発しました。
本材料は、鉄骨造建物の柱・梁に適用可能な1時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得しています。建物施工時の脱炭素化と資源循環への貢献を図りつつ、火災発生時の安全性を備えた鉄骨造建物の建設が可能となります。
引用:2026年3月6日 大成建設株式会社「CO2排出量を最大80%削減する耐火被覆材「T-eCon®/ロックウール」を開発」
清水建設【環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」を構造材として活用へ】
清水建設(株)<社長 新村達也>は、当社が開発・実用化した環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」の建築の構造材への展開・普及に向け、同コンクリートについて一般財団法人日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明を取得しました。建築の構造材向けに特化したSUSMICS-Cを「SUSMICS-Cs」(SUstainable + SMI(炭) + Carbon Storage + Concrete for structure)とし、当社東京木工場の建て替え計画において、門塀の構築に初適用しました。今後、建築の構造材としての採用を顧客に提案します。
引用:2026年3月25日 清水建設株式会社「環境配慮型コンクリートSUSMICS-Cを建築の構造材として展開」
日鉄テックスエンジ【「NSスーパーフレーム工法®」を採用した環境配慮型の複合建築が竣工】
日鉄テックスエンジ株式会社(以下「当社」)は、居住環境および職場環境の改善を目的として、日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」)の独自工法であるNSスーパーフレーム工法®を用いた建築物を活用し新たに竣工しました。
今回竣工したのは、独身寮『東日本常代寮C棟』と事務所『名古屋エンジニアリングセンター』の2施設で、いずれも環境負荷の低減に配慮した建築物です。
引用:2026年3月26日 日鉄テックスエンジ株式会社「NSスーパーフレーム工法®を活用した複数用途の環境配慮型建築物を新たに竣工」
GX・評価・アワード
大林組【大林組、GX技術で建設業初のオープンイノベーション賞を受賞】
大林組は、カーボンニュートラル社会の実現加速を目指す東京科学大学 総合研究院 グリーン・トランスフォーメーション・イニシアティブ(Science Tokyo GXI)が主催する「柏木孝夫GXI賞」において、「GXオープンイノベーション賞」を受賞しました。建設業での同賞の受賞は大林組が初となります。
Science Tokyo GXIとは、2022年に東京科学大学に設置された、GX(グリーントランスフォーメーション)(※1)社会の先導を目指して研究を進める産官学連携拠点です。
引用:2026年3月13日 株式会社大林組「大林組、建材・建造物分野のGX技術開発で建設業として初の「GXオープンイノベーション賞」を受賞」
3月のまとめ
3月は、低炭素コンクリートや新素材など「建設材料の脱炭素化」が一気に進展した月でした。特にCPコンクリートやBiSCo®など、CO₂吸収・固定型の技術がインフラ・建築の現場で実装され始めている点は重要な変化といえます。
また、再生可能エネルギーの活用やエネルギーマネジメント技術も進展し、建物運用段階での脱炭素化も着実に進んでいます。さらに、GX関連の評価やアワードの獲得を通じて、企業の取り組みが社会的・金融的にも評価される流れが強まっています。
今後は、材料・施工・運用のすべてのフェーズで脱炭素化が統合的に進むことが期待されます。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。







