建設業界各社のプレスリリースやニュースリリースをもとに、リバスタ編集部が脱炭素に関する動向をテーマ別に整理してご紹介します。
1月は、代替エネルギー(水素・バイオ燃料)や再生可能エネルギーの地産地消モデルといった現場起点の取り組みが進展した一方、CDP・SBTなど国際的評価・認証の取得が一層広がった月となりました。
また、環境配慮型建設材料や資源循環型技術の高度化、DX・デジタル活用による行動変容の促進など、脱炭素を多面的に捉えた取り組みが目立っています。
代替エネルギー・水素・バイオ燃料
竹中工務店【牽引式の水素発電装置を新たに開発】
竹中工務店(社長:佐々木 正人)、那須電機鉄工(社長:鈴木 智晴)、日本フイルコン(社長:名倉 宏之)は、環境にやさしい移動式電源供給を実現する牽引式水素発電装置を開発しました。
竹中工務店と那須電機鉄工が開発した繰り返し利用可能な小型軽量水素吸蔵合金タンク(2025年6月開発)に燃料電池を組み合わせることで、建設現場や災害時などに簡便に利用できます。
本装置は燃料として水素を活用するため、発電時のCO2排出量をほぼゼロに削減できます。また、低騒音・無臭での発電が可能で、周辺への影響を抑えることができます。現在実証段階にあり、自社建設現場において工事用電源としての活用試行や企業・自治体と連携した実証を通じて、実用化に向けた取り組みを進めていきます。
引用:2026年1月13日 株式会社竹中工務店「牽引式水素発電装置を開発」
鴻池組【大阪・関西万博解体現場で廃食油由来バイオディーゼル燃料B100を本格導入】
株式会社鴻池組(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:渡津弘己)は、富士興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:川崎靖弘)、植田油脂株式会社(本社:大阪府大東市、代表取締役社長:髙橋史年)と連携し、2025年10月20日から大阪・関西万博のナショナルデーホール解体工事現場において、同社の廃食油回収プロジェクトで回収した廃食油を原料として精製されたバイオディーゼル燃料「B100」の発電機への使用を開始しました。これにより鴻池組は、大阪・関西万博の現場において建設工事から解体工事まで一貫してB100を活用する、大規模な軽油代替燃料利用を実現しました。
引用:2026年1月9日 株式会社鴻池組「大阪・関西万博解体現場で自社回収廃食油由来のバイオディーゼル燃料「B100」を本格導入 建設から解体まで一貫したカーボンニュートラル施工を実現」
再生可能エネルギー・地産地消・蓄電池
戸田建設【五島洋上ウィンドファームの再エネで地産地消モデルを開始】
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介、以下「当社」)が出資するフローティング・ウィンド・アグリゲーション(株)(本社:長崎県五島市、社長:齊藤 朗立、以下「FWA」)は、2026年1月5日より運転を開始した五島フローティングウィンドファーム(同)(本社:長崎県五島市、代表企業 戸田建設、以下「FWF」)の五島洋上ウィンドファームで発電された再生可能エネルギー電気を活用し、五島市内の需要家に向けた電力卸供給を開始したことをお知らせいたします。
本取組みでは、FIT(固定価格買取制度)を活用しながら、特定卸供給※1のスキームを用いることで、五島市沖で発電された洋上風力の電力を、五島市内の特定の需要家へ供給します。これにより、大規模な再エネ電源を活用した「電力の地産地消」を実現し、同市が目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に貢献します。
引用:2026年1月5日 戸田建設株式会社「五島洋上ウィンドファームの再エネ電気を活用した「地産地消モデル」の運用を開始」
前田建設工業【前田建設工業、東芝エネルギーシステムズが系統用蓄電池事業に参画】
前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田操治、以下「前田建設」)と東芝エネルギーシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:島田太郎、以下「東芝ESS」)は、長野県小海町における系統用蓄電池事業(以下、「本事業」)に参画します。
本事業では、前田建設は事業主として本事業を推進する特定目的会社(SPC)への出資や技術・運用に関する戦略の策定などを行います。東芝ESSはアグリゲーター(特定卸供給事業者)として、独自の需要予測技術などを活用し、電力市場価格が高騰する時間帯など適切なタイミングで卸売市場(JPEX)や需給調整市場(EPRX)で取引することにより運用収益最大化を目指すとともに、中部エリアの電力供給の安定化に貢献します。
両社は、蓄電所の運営ノウハウや需要予測技術などそれぞれの強みを生かした取り組みにより、今後、全国で十数か所の系統用蓄電池事業の展開を予定しています。事業の展開を通じ、電力需給の安定化や再エネ活用を促進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
引用:2026年1月14日 前田建設工業株式会社「前田建設と東芝エネルギーシステムズ、系統用蓄電池事業に参画」
資源循環・3R・環境配慮型建設材料
大成建設【「T-eConcrete®」2タイプが建設材料技術性能証明を取得】
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、CO2排出量の削減に寄与する環境配慮コンクリート「T-eConcrete」※1シリーズのうち、高炉スラグ微粉末と工場から排出されるCO2を吸収して製造される炭酸カルシウムを利用して、CO2排出量収支をマイナスにする「T-eConcrete/Carbon‑Recycle」と、セメントを使用せず大幅なCO2削減が可能な「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」において、日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明(GBRC材料証明第25-02号)※2を取得しました。
本性能証明の取得により、建築分野における環境配慮型コンクリートのプレキャスト製品への適用手続きがより円滑となり、工期短縮とともに、脱炭素および資源循環(サーキュラーエコノミー)の加速が期待されます。
引用:2026年1月22日 大成建設株式会社「環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」と「T-eConcrete®/セメント・ゼロ型」で建設材料技術性能証明を取得」
清水建設【使用済み太陽光パネルの再利用で循環型社会に貢献】
東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)および清水建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:新村 達也、以下「清水建設」)は、東急不動産が所有する発電所で使用済みとなった太陽光パネルをリユースし、清水建設の建設現場に設置したことをお知らせします。
このたびリユースされた太陽光パネルは、清水建設が北海道内で施工を担当する「大沼トンネル峠下工区新設工事」および「(仮称)松前2期陸上風力発電所建設工事」の2か所の現場に設置されています。東急不動産が使用済み太陽光パネルを供給し、清水建設が設置・施工を担当することで、安全かつ円滑な運用を実現しました。
設置された使用済み太陽光パネルで発電された電力は建設現場内の設備で活用されています。
引用:2026年1月9日 清水建設株式会社「使用済み太陽光パネルの再利用で、循環型社会の形成に寄与」
世紀東急工業【廃農業プラスチックを活用した高強度アスファルト混合物を開発】
世紀東急工業株式会社(東京都港区:代表取締役社長 平 喜一)は、農業由来の廃プラス
チックを利用した添加剤をアスファルト混合物に配合した高強度アスファルト混合物『α
ストロング』を開発しました。
本製品に使用する農業用廃プラスチックは、当社 100%子会社である株式会社ゼネラルア
クトが保有する洗浄技術を用いて、不純物を大幅に低減した原料として再利用が可能とな
っています。
一般的なプラントミックスタイプのアスファルト混合物と同様に、ストレートアスファ
ルトを用いたアスファルト混合物に添加しての製造および施工が可能であり、通常よりも
高い耐流動性を発揮しつつ、アスファルト混合物の製造コストを抑え、且つ、環境負担低減
に貢献できる点を特徴としています。
なお、当製品は工場構内における砕石等を積んだ重量ダンプトラックが走行する路面に
適用しており、良好な結果を確認しております。
引用:2026年1月9日 世紀東急工業株式会社「農業用廃プラスチックを再利用した高強度アスファルト混合物『αストロング』を開発」
建設DX・デジタル活用
大林組【MUIC課題解決プログラムで大林組とスタートアップ3社が協業】
株式会社⼤林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai、所在地:大阪市中央区、理事長:早乙女実)が主催するMUIC課題解決プログラム(※1)の一環として、スタートアップ3社(株式会社BLUEISH、aora株式会社、SBINFT株式会社)と協業し、大林組が推進する「みんまち®プロジェクト」(※2)のうち、オフィスワーカーと遊休スペースを持つ施設所有者、サービス事業者をつなぐマッチングサービス「みんまちSHOP」の強化・拡充に向けた実証実験を2026年2月より開始します。
本実証実験では、オンライン上のコミュニティとリアルをつなぐ新たなコミュニティの形成や、ポイントインセンティブによる脱炭素行動の促進 、NFT技術(※3)を活用した新しいサービスを通じて、利用者の体験価値とエンゲージメント向上を図り、オフィスワーカーへの新たなウェルビーイング体験の提供を目指します。
引用:2026年1月15日 株式会社大林組「MUIC課題解決プログラムを通じて大林組とスタートアップ3社が協業」
松井建設【経済産業省が定めるDX認定を取得】
松井建設株式会社は、2026 年1月1日付で経済産業省が定める認定制度に基づき、「DX 認定 事業者」の認定を取得しましたのでお知らせいたします。
引用:2026年1月19日 松井建設株式会社「経済産業省が定める「DX 認定」取得に関するお知らせ」
CDP・SBTなど国際評価・目標設定
長谷工コーポレーション【長谷工コーポレーション、CDP気候変動分野でAリスト初認定】
株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:熊野 聡、以下「当社」)は、2025年12月10日に、国際的な非営利団体であるCDP(本部:英国ロンドン)※1による2025年度「気候変動」分野の評価において、最高評価「A」を獲得し、「Aリスト」企業に初めて認定されました。
今回の「Aリスト」認定は、当社が気候変動対応を経営の重要課題として積極的に推進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが国際的に高く評価された結果と考えています。
引用:2026年1月13日 株式会社長谷工コーポレーション「長谷工コーポレーション CDP「気候変動」で最高評価「Aリスト」に初認定」
戸田建設【CDP 2025「気候変動」において最高評価Aリストに選定】
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、環境評価を行う国際的な非営利団体CDP(本部:ロンドン)から、最高ランクの「CDP 2025気候変動Aリスト」に選定され、気候変動に対する活動と情報開示において世界的な先進企業として評価を受けました。当社は2018年以降、ゼネコンで唯一の8年連続での気候変動Aリスト企業です。
当社は、2050年までに事業活動における温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指し、サプライチェーン全体での気候変動対策に取り組んでいます。また、CDP2025では水セキュリティ部門、森林部門で共に「B」評価を獲得しており、当社が水資源や木材資源についても適切な管理を行っていると評価されました。今後も気候変動をはじめとする様々な環境課題の解決に取り組んでいきます。
引用:2026年1月23日 戸田建設株式会社「CDP 2025 気候変動で最高評価のAリストに選定」
五洋建設【CDP 2025 気候変動分野で最高評価Aリストに選定】
五洋建設株式会社(社長 清水琢三)は、国際環境非営利団体CDP※から気候変動分野において2年連続で最高評価にあたる「Aリスト」に選定されました。
当社グループは、サステナビリティ経営を実践する真のグローバル・ゼネラルコントラクターとして、サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。
環境面では、地球規模の気候変動問題への対応を最も重要な経営課題の一つと捉え、2022年12月にSBTから認定を受けた「1.5℃水準」の目標達成に向け、建設事業活動におけるCO2排出削減の取組みを国内外で推進しています。工事現場で排出されるScope1、2については、作業船や建設機械に燃費改善添加剤の使用やバイオ燃料の導入を推進するとともに、工事事務所をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)にする等、再生可能エネルギーの利用を推進することで、CO2排出削減に取り組んでいます。また、サプライチェーンにおける間接排出のScope3に対しては、当社が施工する建物に低炭素型コンクリート等の利用を拡大するとともに、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の建築を推進することで建物の供用中のCO2排出削減に貢献しています。
引用:2026年1月8日 五洋建設株式会社「CDP2025気候変動分野において最高評価の「Aリスト」に選定」
フジタ【CDP2025 気候変動分野で最高評価Aリスト企業に選定】
株式会社フジタ(社長:奥村 洋治)は、環境情報開示を評価する国際的な非営利団体であるCDPにより、気候変動分野で2025年度の「Aリスト」に選定されました。
CDPのスコアリングは、TCFDフレームワークに整合した厳密かつ独自の評価基準に基づき、企業の報告の充実度、環境リスクに対する理解度、さらには野心的な目標設定やアクションの検証といったベストプラクティスの実施状況を評価しています。
「A」スコアの取得は、当社が、包括的な情報開示を行い、環境ガバナンスの成熟度が高く、環境レジリエンスに向かって意義ある進捗があった世界的なリーダーの一社であることを意味しています。
当社は、事業活動が地球環境に与える影響を把握し、積極的な情報開示を通じて責任ある企業活動を推進しています。今後も“高”環境づくりを目指し、顧客・地域社会・地球全体の持続可能な未来の創造に貢献していきます。
引用:2026年1月15日 株式会社フジタ「CDP2025気候変動において 最高評価の「Aリスト企業」に選定」
鉄建建設【CDP気候変動部門でAリスト企業に3年連続選定】
鉄建建設株式会社(本社:東京都千代田区、社長:伊藤 泰司)は、環境評価を行う国際的な非営利
団体である CDP により、気候変動部門において最高評価である「A リスト企業」に3 年連続で選定
されました。これは、気候変動対応に対するパフォーマンスと情報開示の透明性の観点から、当社
グループの取り組みが高く評価されたものです。
引用:2026年1月8日 鉄建建設株式会社「CDP 気候変動部門において最高評価の「A リスト企業」に 3 年連続で選定」
奥村組【CDP気候変動2025においてBスコアを取得】
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典)は、国際的な環境非営利団体CDP※1(本部:英国ロンドン)が実施する2025年度の「気候変動」評価において、「B」スコアを獲得しました。
引用:2026年1月8日 株式会社奥村組「CDP気候変動2025で「B」スコアを取得」
北野建設【CDP 2025 気候変動分野でBスコアを初取得】
当社は、国際的な環境非営利団体CDPによる2025年評価において、気候変動分野で『B』スコアを獲得しました。詳しくは下のPDFファイルをご覧ください。
引用:2026年1月19日 北野建設株式会社「CDP 2025「気候変動」分野において「B」スコアを初取得しました」
安藤ハザマ【2035年度の温室効果ガス排出削減目標を設定、SBT新認定を取得】
安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷一彦)は、サステナブルな社会を実現するため、環境保全と環境負荷低減に向けた取り組みを推進しています。この度、その一環として当社グループが新たに設定した2035年度の温室効果ガス排出削減目標について、2025年12月にScience Based Target(SBT)イニシアチブの認証を取得しました(注1)。
引用:2026年1月15日 株式会社安藤・間「安藤ハザマ 2035年度の温室効果ガス排出削減目標を設定し、SBT新認定取得」
1月のまとめ
1月は、水素・バイオ燃料・再エネ地産地消といった「現場で使う脱炭素エネルギー」の実装が進んだ月でした。同時に、CDP・SBTなど国際的な評価・認証の取得が業界全体に広がり、脱炭素経営の成熟度が可視化されています。
材料・エネルギー・デジタル・評価の各領域で取り組みが同時進行しており、今後はこれらをどう横断的にスケールさせていくかが、建設業界全体の脱炭素加速の鍵となりそうです。
※各社プレスリリース・ニュースリリースより引用しております。

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。








