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【北海道のゼロカーボン:民間企業と脱炭素】社内に専門部署設置、ZEB社屋施工で脱炭素実現など、ユニークな取り組みを紹介

【北海道のゼロカーボン:民間企業と脱炭素】社内に専門部署設置、ZEB社屋施工で脱炭素実現など、ユニークな取り組みを紹介

建設業×脱炭素実現は、行政機関のみではなく民間企業の積極的な取り組みも欠かせません。本稿では、北海道内の地域密着型の建設会社の取組事例をいくつか紹介いたします
地場のゼネコンが、脱炭素に関してどのような取り組みが進んでいるのかを見ていくことにしましょう。

船橋西川建設:CLT建築を国内初採用!ZEB社屋で二酸化炭素排出量を大幅削減

北見市に本社を置く舟橋西川建設株式会社は、国内初となるCLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)建築による積雪寒冷地型のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)社屋を開発しました。

同社は土木建築工事を幅広く手がける総合建設業者ですが、これまでの施工経験を活かしたCLTを用いたZEB建設によりロカーボン北海道へ貢献しています。

CLTは、繊維の方向が直交するように積層接着された木質材料で、強度と耐熱性に優れています。日本では2013年に日本農林規格(JAS)が制定され、2016年にはCLT関連する建築基準法告示が施行されています。これにより、CLTの一般利用が可能になりました

写真:船橋西川建設のCLT社屋(道のホームページより)

2019年に完成したこのCLT建築社屋は、地中熱利用システムを導入したZEB社屋として、北海道主催の「令和2年度北海道ゼロエミ大賞」で優秀賞を受賞しました。 地中熱ヒートポンプシステムの導入により、空調の電力消費量を約49%、二酸化炭素排出量を約50%削減したと報告されています。

このCLT建築には、屋根や外壁を含め全て北海道産のCLT材が使用されています。2022年には、道産木材を用いた建築物に与えられる愛称「HOKKAIDO WOOD  BUILDING」のオホーツク総合振興局管内での第1号として登録されたことも特徴です。地域材を活用した社屋建築物は、地域貢献という点からも重要な考え方です。

出典:船橋西川建設(北海道ホームページ「民間事業者等の皆様の取組紹介」より)

ケイセイマサキ建設:ICTや再エネ活用によりグループ全体で脱炭素

十勝地方の新冠町に本社を構える同社は、不動産開発や解体工事業を行う企業です。同社は「ゼロカーボン北海道」に向けた取組として、建設工事現場の脱炭素化を推進しています。

具体的な取り組みとしては、ICT(情報通信技術)の活用による工事現場の効率化を進めています。これにより、車両の往来を削減し、排気ガスの排出量を抑えています。また、工事検査への遠隔臨場の導入や、3次元データに基づく出来高管理、ドローン活用などにより、年間200kgの二酸化炭素排出量削減を実現しました。

さらに、現場事務所には太陽光発電パネルを設置し、現場照明や事務所の電力の一部に活用しています。この太陽光発電パネルの設置により、年間4000kgの二酸化炭素排出量削減達成しています

ケイセイマサキ建設は、グループ企業を含め年間6400MWh規模の太陽光発電事業も展開しています。この電力量は一般家庭約1800世帯分の消費電力に相当します。再生可能エネルギーの積極的な活用も、脱炭素を実現するための有用な策として注目されています。

出典:ケイセイマサキ建設(北海道ホームページ「民間事業者等の皆様の取組紹介」より)

武部建設:古民家再生きっかけに道産木材再利用を実現、二酸化炭素固定・排出時間を遅延

岩見沢市の武部建設株式会社は、造林・木工所事業から創業し、1990年代から古民家再生事業に着手しました。2005年にはNPO法人「北の民家の会」を結成し、本格的に古民家再生に取り組んでいます。

写真:古民家活用(道の資料より)

同社は「ゼロカーボン北海道」への貢献として古民家再生事業を推進しています。この取組は当初は脱炭素を意識したものではありませんでした。しかし、取組の中で木材の有効利用を行うため、結果として二酸化炭素の固定排出の時間調整や新規木材加工時の排出削減に繋がっています。木材の再利用は建設・建築業などと密接に関わるため、重要な役割を担っているといえます。

武部建設が挙げる古民家再生事業での脱炭素のメリットは以下3点です。

・道産材の再利用:対象となる古民家は道産木材で建築されているため、地域資源の有効活用につながります。

・古材は良い建材:古材は長年の自然乾燥により良質な建材となります。

・省エネルギー:古民家再生は職人の技術があれば可能であり、新たな資材製造に伴うエネルギー消費を抑えることができます。

同社は、古材の持つ独特の雰囲気を活かし、北方型住宅を実現する高い技術を有しています。例えば、桂の古材柱1本を再利用することで、約74kgの二酸化炭素固定効果があるとされています。このため、一般的な住宅を古材利用で再生した場合、約37トンもの二酸化炭素固定効果が期待できます

人口減少や少子高齢化などの影響で目立つ「空き家」ですが、空き家活用と脱炭素の両方に貢献できるアイデアといえるでしょう。

出典:武部建設(北海道ホームページ「民間事業者等の皆様の取組紹介」より)

まとめ:事例の活用で脱炭素化を進める

本稿で紹介したように、北海道の一部企業では脱炭素に関する取組が進められています。

  • CLT技術を活用して社屋を建設
  • 再生可能エネルギーの活用
  • 古民家再生、古材の再利用

今回紹介した取組は、全国の建設業でも有効活用できるものです。建設業では脱炭素への対応が急務となっており、その推進は企業価値の向上にも直結します。
各社が積極的に取り組みを進めることで、新たな評価や事業機会の創出につながる可能性も高まっています。近年では、建設業界全体で「CO₂排出量の見える化」と「削減の取組」が求められるようになりました

例えば、施工時の排出削減活動は入札評価や工事成績評定の際に加点対象になるほか、発注者からの排出削減要望も強くなっています。このため、現場単位での二酸化炭素管理は喫緊の経営課題となりつつあります。

リバスタでは、建設業に特化したCO排出量算定・可視化クラウドサービス「TansoMiru(タンソミル)」を提供しています。

「どの現場で、どれだけCO₂を出しているのか」──その見える化から、削減アクションが始まります。

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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