業界事例

建機レンタルで脱炭素対策を! レンタルのニッケンの「カーボンオフセット付レンタル」

建機レンタルで脱炭素対策を! レンタルのニッケンの「カーボンオフセット付レンタル」

レンタルのニッケンは、CO2排出量削減策のひとつとして、Sustineri株式会社(本社・東京都渋谷区)とパートナーシップを組み「カーボンオフセット付レンタル」サービスを2024年5月から開始しました。同社の建機を利用する際に発生するCO2排出量を実質的に相殺できる、カーボンオフセットの実施支援サービスです。

同サービス開発に携わったエネルギービジネスチームの純情太郎氏、鞍留杏氏、神宮寺里沙氏に、サービス誕生の背景、建機レンタルが建設業の脱炭素化にもたらす効果、循環型社会に対する同社の展望などについてお聞きしました。

レンタルの強み:高額なGX建機を“試せる”仕組み

レンタルのニッケンは、「レンタルで循環型社会に貢献する」というパーパスのもと、建設現場をはじめとした社会インフラを支える企業として、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを重要な経営テーマの一つと位置付けています。 建設現場における脱炭素化は、一社単独で完結できるものではなく、機械の電動化や省エネ化、CO₂排出量の可視化、Jクレジットを活用したカーボンオフセット付レンタル等、総合的な対応が必要だと考えております。当社としては、現時点で一律の数値目標の設定を掲げることよりも、現場で実行可能な選択肢を増やし、お客様と共に脱炭素の取り組みを積み重ねることを重視し、業界全体の脱炭素化に貢献していきます。

純情氏は「建機レンタル業界の脱炭素施策は進み始めているものの、まだ本格普及には至っていない」といいます。「建機のEV化や代替燃料の活用は進展途上で、特に大型機では技術面や稼働時間について課題が残っています。最大のハードルはコストです。GX建機は価格が高く、充電設備などのインフラ整備も必要なため、レンタル事業者の負担が大きいのが現状です。また、燃料転換も供給体制やコスト面の課題があり、広く普及する段階には至っていません」(純情氏)

一方で、脱炭素化に向けて、レンタルだからこそ発揮できる強みがあるともいいます。

純情氏は「GX建機などの環境配慮型製品の開発・供給はメーカーの役割が非常に重要です」と前置きした上で「それらの建機を実際の現場へ広げていく段階においては、レンタル会社が大きな役割を担います」と話します。

「特に、GX建機や最新の低排出ガス建機など、購入価格が高く自社保有が難しい機械でも、レンタルであればお客様に提供できる点は大きな強みです。また、新技術を搭載した建機は導入コストや運用面の不安から購入のハードルが高くなりがちですが、レンタルであれば初期投資を抑えながら試験的に導入することが可能です。これにより、お客様はリスクを抑えつつ脱炭素への取り組みを進めることができます」


株式会社レンタルのニッケン
開発本部 新規事業推進部 副部長 エネルギービジネスチーム リーダー
純情 太郎 氏

少ロット対応・オンライン完結で、オフセットを現場実装へ

レンタルのニッケンが提供する「カーボンオフセット付レンタル」サービスは、レンタル建機の返却時に使⽤燃料を報告するだけで、簡単に必要な J クレジットの活⽤が可能で、CO2排出量削減対策を講じても残ってしまう「残余CO2」への対応策として注目されています。

鞍留氏は「当社がSustineri社のクラウド型オフセットサービスSusportを利用することで、建機の燃料使用量をもとにCO2排出量を換算できるようになります。また、お客様は国内の幅広いクレジットの中から、お好きなクレジットを選ぶことができます。kg-CO2単位の小口から、PDFでのオフセット証書発行まで実施できる体制を整えています」と説明します。

通常、クレジットの調達やオフセット実施は、何度も業者とのメール等でのやり取りが必要です。同社のサービスは、これらの処理がオンラインで完結できます。またSusport独自のクレジット管理機能により、通常の取引可能ロット(t-CO2)よりも大幅に小さい単位でオフセットが可能なことから、少額でも実施でき、クレジットを無駄なく活用できる点にも特長があります。自社の排出量を実質的に削減できることに加え、発注元に対して脱炭素への取り組みをPRできるというメリットもあります。

特に建設業では、現場毎に発注者が異なるところ、同サービスは様々な地域のクレジットに対応しているため、地域貢献の文脈からも利用する企業が増えているといいます。

「デベロッパー、官公庁等の発注者にとっては、受注企業が当サービスを利用することで、自社事業の排出量の間接的な削減に貢献できます。また、例えば自治体が創出したクレジットをSusportで購入できるように設定することで、地域のクレジット活用が促進されるという効果もあります。建設業界に限らず、カーボンクレジットの活用シーンに広がりを持たせることにも貢献できると考えています」(鞍留氏)


株式会社レンタルのニッケン
開発本部 新規事業推進部 エネルギービジネスチーム 主任
鞍留 杏 氏

なぜ今オフセットか:発注者対応と“残余CO2”への現実解

同サービスは、建機レンタルにおいては業界初の取り組みとして位置づけられる。

純情氏は、同社がいち早くサービス提供を始めた理由として、建設業界のCO2排出量は非常に多く、世界的にも早急な脱炭素アクションが求められていること、日本においても建築物のCO2算定義務化の議論や土木工事における脱炭素アクションへの加点評価を行う等の取り組みが始まっていることを背景として挙げます。

神宮寺氏は「建機から排出されるCO2を削減する策としては、軽油代替燃料の利用や電動化などがありますが、いずれにしてもメーカーとレンタル会社とお客様が三位一体にならないと進まないと思いますし、コストの問題も大きいです」と指摘します。

鞍留氏はカーボンオフセットの今後の広がりへの期待を挙げます。「今はまだ時期が早いかもしれませんが、2030年頃には主流になると思います。それに先駆けて、社内に対してもお客様に対しても有効な選択肢の一つとして示したいという思いもありました。

建設業界では、CO2排出量対策は既に実施しており、更に一歩進んだ取り組みに対するニーズがお客様からも上がっていました。オフセット需要も今後本格化すると考え、脱炭素感度の高い企業様に寄り添ったサービスを先行して導入し、ご意見を頂くことで、製品サービスの改善のサイクルを素早く回し、当社サービスの強みの一つとしても確立したいと考えています」(鞍留氏)

実際にサービスに対する関心も高まっているといいます。「展示会などでもCO2排出量の可視化やカーボンオフセットについての情報を求める方も多く、皆さん手探りの段階ではありますが関心も持っている様子は伝わってきます」(神宮寺氏)


株式会社レンタルのニッケン
開発本部 新規事業推進部
エネルギービジネスチーム
神宮寺 里沙 氏

脱炭素で業界をリードする存在に:可視化とパートナー価値の展望

レンタルのニッケンは、建機レンタル業界において脱炭素分野で業界をリードする存在を目指しています。純情氏は「具体的には、環境負荷の低い建設機械の導入・拡充を進め、お客様が無理なく脱炭素に取り組める選択肢を提供していきたいと考えています」と意気込みを語ります。

「GX建機や低燃費機、代替燃料対応機など、環境負担軽減に貢献する機械のラインナップを充実させるとともに、それらを効果的に活用できるサービスや運用支援もあわせて提供していきます。単に機械を貸し出すだけでなく、環境配慮型施工を支えるパートナーとして価値を発揮していく姿勢を示していきたいと思います」

結びに

レンタルのニッケンは2024年10月から、建機の燃料使用量等をもとにCO2排出量を可視化するサービスを提供しており、公共土木工事を含む建設現場での活用も進んでいる。リバスタの建設現場特化型CO2可視化ツール「TansoMiru(タンソミル)」とも、現場単位のデータ整備・証跡化という点で親和性が高い。

オフセットの実施記録に加え、建機の稼働状況や燃料使用量などの実績データを連携・統合して管理できれば、発注者への説明力を高めながら脱炭素の実装を前に進められる――そうした協業余地を感じさせるインタビューともなりました。

 

【写真左】開発本部 新規事業推進部 エネルギービジネスチーム 主任 鞍留 杏 氏

【写真中】開発本部 新規事業推進部 副部長 エネルギービジネスチーム リーダー 純情 太郎 氏

【写真右】開発本部 新規事業推進部 エネルギービジネスチーム 神宮寺 里沙氏

※組織名・役職などの情報は取材当時(2026年2月)のものです。

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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