軽油など燃料配送業の三和エナジー(本社・神奈川県横浜市)は2026年2月5日、大阪府岸和田市に、商用バイオディーゼル燃料(以下、バイオ燃料)の製造拠点となる「岸和田バイオプラント」を開所しました。岸和田バイオプラントは、使用済みの天ぷら油などの廃食油を原料としたバイオ燃料の製造施設で、同社としては2024 年に開所した新狭山バイオプラントに続く第2号のバイオプラントとなり、蒸留機20台を備え、新狭山バイオプラントの約3倍の蒸留能力を持つ国内最大級の施設で、陸上輸送に加え海上出荷にも対応する施設となります。
竣工式を開催、岸和田バイオプラントが始動
岸和田バイオプラントは、敷地面積10,500㎡に蒸留機20台を備えています。蒸留能力は、新狭山バイオプラントの約3倍で、これは国内最大級となります。敷地内タンクと岸和田油槽所の備蓄タンクを合わせると、3,421KLの燃料・原料が備蓄できます。
岸和田バイオプラントには配送業務を担うデリバリーセンターを併設しており、陸上輸送だけでなく海上出荷にも対応できる設備を備えています。
▼岸和田バイオプラント

▼敷地内タンク

2月5日に現地で開かれた竣工式と施設見学会で、三和エナジーの高松克行社長は、集まった関係各社に対して「バイオ燃料の普及とSDGs目標達成に向けて、弊社として微力ながら貢献させていただければ幸いです。ご協力とご支援をお願いします」とあいさつしました。
▼三和エナジー高松克行社長

国が掲げるGX推進に果たす役割
来賓として出席した資源エネルギー庁燃料供給基盤整備課の木藤康弘氏より、新プラントの開所を機に「GX(グリーントランスフォーメーション)およびサーキュラーエコノミーの実現、国内の資源循環効率およびエネルギー自給率の向上に今後も引き続き貢献いただくということを大いに期待しております」とあいさつしました。さらに、バイオ燃料を取り巻く政策動向として「災害が多い我が国においては貯蔵性に優れる液体燃料は、電気化が進むなかにおいても引き続き重要な役割を担うと考えております。他方で、GX対応の観点から、燃料そのものの脱炭素が必要であり、まずはバイオ燃料の導入、次に合成燃料の導入によってGXへとつなげていきたいと考えています」と述べました。
続いて、国土交通省海事局海洋・環境政策課 松本真氏は、「岸和田バイオプラントの完成は、我が国の脱炭素化が前進する上で大きな一歩となると思います」と祝辞を表しました。
さらに松本氏は海事分野においては、陸上から孤立していることから、エネルギー密度の高い重油が長年愛用されてきた現状を指摘。脱炭素化対策としては、代替となる燃料がなかなか見つからないという課題を挙げた上で「バイオ燃料は既存の船舶を改造することなく導入ができるうえに、海上への出荷設備も備えている岸和田バイオプラントの開所は大変ありがたいと思っています」と期待感を表しました。
▼資源エネルギー庁燃料供給基盤整備課 木藤 康弘 氏

▼国土交通省海事局海洋・環境政策課 松本 真 氏

▼岸和田バイオプラント デリバリーセンター

今後の展望:バイオ燃料普及と供給体制の拡大
三和エナジーは、バイオ燃料の安定供給のため、今後、全国各地に、B100からB5を製造する混合ブレンダーを設置していく計画です。新狭山、岸和田の各バイオプラントで製造した高純度のB100を現地でブレンドすることで、より広いエリアにB5を供給できる体制づくりを目指しているといいます。現在は、福岡県においてブレンダー設置が進められており、これによって九州エリアでの供給力アップを目指しています。
また、配送に関しても、静岡県、新潟県、奈良県において地元の協力会社との連携により、配送体制の構築が進められており、岸和田バイオプラントを拠点としたネットワークの拡充に対する期待が高まっています
▼岸和田バイオプラント 混合ブレンダー

三和エナジーはガソリンスタンド運営の宇佐美グループの一員であり、バイオ燃料の製造から管理、配送までワンストップで対応しています。2024年2月の新狭山バイオプラント開所以降、建設現場を中心としたパトロール給油の実績を生かして、建設業界へのバイオ燃料普及に力を入れてきました。西日本初となる新プラントの開所によって、建設現場でのバイオ燃料導入に弾みがつくことが期待されます。
(了)
リバスタの「TansoMiru(タンソミル)燃料」では、建設現場で場内給油される燃料について、燃料配送会社からのデータ連携を通じて購買燃料量を把握し、現場ごとの燃料使用実績を見える化します。CO2排出量を自動算定する枠組みから、B5やB100等バイオ燃料の更なる使用拡大など、脱炭素を通じた事業機会の創出・発展をご支援します。

この記事の監修
リバスタ編集部
「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。







