基礎情報

なぜ脱炭素への取り組みが必要なのか?企業が推進する理由も解説

なぜ脱炭素への取り組みが必要なのか?企業が推進する理由も解説

脱炭素やカーボンニュートラルという言葉が昨今話題になることも多くなっています。特に、建設業界においては、持続可能な社会を実現するために、環境への配慮が求められているのが現状です。

本記事では、なぜ脱炭素への取り組みが必要なのか、推進されている背景も解説します。企業が脱炭素に取り組むべき理由も解説するのでぜひ参考にしてください。

脱炭素は加速する地球温暖化への対策のひとつ

脱炭素は加速する地球温暖化への対策のひとつ

脱炭素とは、脱炭素社会の実現を目指すことであり、CO2排出量を実質ゼロにすることです。

地球温暖化対策として脱炭素が推進されている背景には温室効果ガス排出量の増加があります。

温室効果ガスは太陽の熱を地球に留め、気温を一定に保つ働きがあります。一方で、増えすぎることによって宇宙に放出される熱が地表に滞留してしまい地球温暖化につながることが懸念点です。

温室効果ガスが排出される主な原因は、産業や運輸で使用される化石燃料によるエネルギーの使用であり、大気中のCO2濃度は18世紀のイギリス革命以降増加が続いています。脱炭素の実現によりCO2濃度の上昇を防ぐことで、地球温暖化を抑制できると考えられています。

現在、温室効果ガスとして7種類が指定されていますが、7種類の中で最も排出量が多く、地球温暖化への寄与が高いと言われているガスがCO2です。

温室効果ガスの増加による地球温暖化を抑えるためには脱炭素への取り組みが必要であり、脱炭素の一環として省エネ設備や化石燃料に代わる再生可能エネルギーの活用促進が進められています。

カーボンニュートラルと脱炭素の違い

カーボンニュートラルと脱炭素の違いは明確に定義されていません。環境省はカーボンニュートラルの定義を「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」として公表していますが、脱炭素の定義を明示していません。一般的には同義として利用されますが、カーボンニュートラルの方が地球単位など広義的な意味で利用されることがあります。

国や企業の脱炭素に向けた具体的な取り組みを知りたい方は「脱炭素とは?概要や取り組み状況に関して解説」を参考にしてください。

脱炭素が推進される理由

脱炭素が推進される理由は次の2つです。

  • 地球温暖化の抑制
  • 資源枯渇への対処

いずれも国際的な課題となっており、家庭や企業、そして国全体としての取り組みが必要とされています。

地球温暖化の抑制

CO2をはじめとする温室効果ガスの排出によって地球温暖化が進んでいます。脱炭素が推進される主な理由は地球温暖化の進行を抑制することにあります。

地球温暖化が進むと地面や海水の温度が上がり、結果として雨量が増加して異常気象が発生しやすくなる仕組みです。

近年CO2をはじめとする温室効果ガスの排出によって地球温暖化が進んでいますが、地球温暖化が進むと地球の平均気温が上昇し様々な悪影響が出ます。

たとえば、海水および大気の温度上昇により、海水の蒸発量が増加すると共に大気中の水蒸気量も増加します。大気中の水蒸気量が増加することにより、雨量が増加して異常気象が発生しやすくなることが建設業界を始めとして、農業など様々な業界の課題となっています。実際、最近では線状降雨帯やゲリラ豪雨と言った異常気象の発生が増えており、地球温暖化が影響している可能性が高いと言われています。

地球温暖化が影響している異常気象の発生を抑制するためにも、脱炭素を推進することで異常気象の原因と言われている地球温暖化を抑制することが期待されています。

なお、日本では温室効果ガスの9割がCO2です。人為的なCO2の排出量の削減と併せて、植林や森林管理などによってCO2の吸収量を高めることもCO2濃度の上昇を抑える取り組みとして推進されています。

資源枯渇への対処

石油、石炭、天然ガスなどの資源が有限であることも、脱炭素が推進される理由として挙げられます。

【化石燃料の可採年数】
燃料 可採年数
石油 53.5年
天然ガス 48.8年
石炭 139年

参照:エネルギー白書2022 第2部 第2章 第2節 一次エネルギーの動向|資源エネルギー庁

可採年数とは資源が将来的にあと何年生産可能であるかを示した数字です。可採年数は、現在採掘可能な埋蔵量を年間生産量で割ったもので、埋蔵量や生産量の変動によって変化します。

天然ガスの可採年数は2020年末の時点で48.8年ですが、次の表が地域別の天然ガス埋蔵量です。

引用: 令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)|資源エネルギー庁

資源が枯渇すると将来的に燃料不足となりエネルギー供給ができなくなります。化石燃料による環境への影響も踏まえ、水素をはじめとするCO2排出を抑えられるエネルギー源の活用が必要とされています。このため、何度も繰り返して使用できる再生可能エネルギーの利用が進んでおり、この再エネを利用して製造するグリーン水素が注目されています。

なお、水素のエネルギー源としての仕組みに関して知りたい方は「水素と脱炭素の関連性は?エネルギー源としてのメリット・デメリットも解説」を参考にしてください。

パリ協定での目標達成

脱炭素が推進される背景には、パリ協定で設定した目標を達成することも挙げられます。パリ協定とは2015年に採択された、気候変動対策に関する国際的な協定のことです。

パリ協定では「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」ことを共通目標としています。日本の目標は2030年に温室効果ガス2013年度比46%減、さらに50%の高みに向けた継続的な挑戦を目標として掲げています。

なお、脱炭素は気候変動への対策を目的としており、貧困や環境問題など幅広い社会問題の解決を目標としたSDGsとは異なります。脱炭素とSDGsの関係性を知りたい方は「SDGsと脱炭素の関連性と取り組み事例について」を参考にしてください。

脱炭素の必要性を裏付ける科学的根拠

脱炭素の必要性を科学的な根拠をもとに解説します。CO2がどれだけ温暖化に影響を与えているのか、カーボンバジェットの残された猶予時間、炭素予算の観点から見る日本の現状をそれぞれ解説します。

CO2はどれだけ温暖化に影響しているのか

2013年のIPCC第5次評価報告書では、気候変動を止める唯一の手段がゼロエミッション達成であることが明示され、パリ協定以降の国際政策は従来の「低炭素」から「2050年脱炭素・ゼロエミッション・炭素中立」へと大きく転換しました。

最新の第6次評価報告書では、人間活動による温室効果ガス排出が地球温暖化の主因であることが疑いの余地なく確認され、1850年から1900年を基準とした世界平均気温が2011年から2020年の間に1.1度上昇したことが報告されています。

特に重要な点として、温暖化を1.5度または2度以内に抑制できるかどうかは、CO2排出の正味ゼロ達成時期までの累積炭素排出量と、今後10年間の温室効果ガス削減レベルに決定的に依存することが強調されています。

出典:環境省/IPCC 第6次評価報告書(AR6)

カーボンバジェットとは?残された猶予時間

カーボンバジェットは、特定の気温上昇幅に抑えるために人類が排出できるCO2の累積上限を指しており、脱炭素への緊急性を科学的に裏付ける重要な指標です。

現在の状況は極めて厳しく、世界に残された排出可能量は5,000億tとされています。一方で、現在の世界のCO2排出ペースは年間500億tの高水準を維持しており、このままの排出速度が続けば、2030年までにカーボンバジェットの上限を超過する危険性が指摘されています。

カーボンバジェットが示すのは、人類に残された猶予時間がわずか数年程度しかない現実です。単純計算では約10年分の排出量しか残されておらず、温暖化を危険な水準以下に抑制するためには、今後10年以内に劇的な排出削減を実現しなければなりません。

出典:IPCC/AR6 WG1報告書

炭素予算から見る日本の削減難易度

炭素予算とは、目標とする気温上昇幅に抑えるために世界全体が排出できるCO2の総量上限であり、いわば地球全体が共有する「財布の中身」に例えられます。

1.5℃目標を達成するための世界の炭素予算は560Gtとされていますが、この限られた「予算」を各国がどのように分配するかが重要な課題です。仮に現在の人口比率で公平に分配した場合、日本の人口1.3億人は世界人口78億人の1.7パーセントに相当し、日本に割り当てられる炭素予算は9.5Gtです。

しかし現実は深刻で、1.5℃を目標とした場合の現状は次のような状況です。

世界に残された炭素予算 560Gt
日本が使える分 9.5Gt
2010年から2019年の間に使用した炭素予算 約13Gt

日本は既に2010年から2019年の10年間だけで約13Gtを排出しており、理論上の予算を完全に使い尽くしている状況です。この事実は、日本が1.5度目標達成に向けて極めて困難な立場にあることを示しており、従来以上に急進的な脱炭素戦略の必要性を科学的に裏付けています。

「意味がない」という意見もある?

脱炭素への取り組みに「意味がない」とする批判的意見は、次の観点から言われるケースが見られます。

  • 多額の投資を要する
  • 技術的に実現が難しい
  • 短期的に効果が得られない

脱炭素実現に向けて、大規模な設備投資や新技術導入に必要な多額の資金が企業にとって負担となりかねません。また、現状の技術では建設現場での重機利用やセメント製造過程などでの完全な脱炭素は技術的に困難な点が多くあります。

さらに、脱炭素化への投資は即効性が乏しく、短期的な効果が見えにくいため、経営者や投資家の理解を得るのが難しい問題もあります。加えて、建設業界には労働力不足や安全管理、インフラ老朽化対策など、気候変動以外にも優先すべき課題が山積みです。

一方で、脱炭素への取り組みは新しい環境配慮型建材や省エネ技術の開発などの新たなビジネスチャンスを生み出し、ESG投資の観点からも企業価値向上につながります。また、CO2排出量の可視化と削減は地球温暖化対策としての社会的責任を果たすだけでなく、資源の効率的利用を促進し、枯渇資源への依存度低減にも貢献するものです。

脱炭素の取り組みは多くの課題を抱えていることから意味がないと言われがちですが、企業や環境問題にとって意義のあることのため、多角的視点で評価することが重要です。

国内だけでなく海外でも脱炭素が推進される理由

国内だけでなく海外でも脱炭素が推進される理由

脱炭素への取り組みは国内だけでなく、海外でも盛んに行われています。2021年11月時点で、154カ国・1地域が脱炭素社会の実現を表明しており、脱炭素は世界的に推進されている状況です。

脱炭素が推進される理由としては、深刻化する地球温暖化対策の必要性が挙げられます。海外では脱炭素への取り組みとして自然エネルギー、再生可能エネルギーの活用、炭素税の導入などが行われている先進的な地域もあります。日本でも太陽光パネルの導入が進んでいると共に、2012年からはガソリン購入の際に炭素税が課せられるようになっています。

また、国内外で脱炭素が推進される背景には、2021年にこのアメリカの復帰により世界の主要国が全て参加し、世界規模での協力体制を作ることへの道筋が出来ました。

さらに、気候変動や社会情勢への関心の高まりから、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)に配慮した投資である、ESG投資額が全世界で2020年に35.3兆ドルまで増加し、世界的に気候変動に関する情報開示を企業に求める動きが広がりました。こういった世界情勢を受け、日本でも温対法や省エネ法など環境関連を始めとした様々な法整備が進んでいます。

2050年目標とは?

2050年カーボンニュートラル実現に向けて世界的な取り組みが行われています。2050年目標とは、2015年12月に採択されたパリ協定以降、各国が掲げる脱炭素社会への実現を目指す目安となる年です。

 2018年に公表された IPCC「1.5℃特別報告書」によると、世界全体の平均気温の上昇を、2℃を 十分下回り、1.5℃の水準に抑えるためには、2050年頃にCO2排出量を正味ゼロとする必要があります。この報告書によって、世界各国で、2050年までに脱炭素社会の実現を目標として掲げる動きが広がりました。

国内でも2020年10月、政府が2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、環境省を中心に「地域脱炭素ロードマップ」や脱炭素の先行地域を策定するなどの取り組みがなされています。

脱炭素の緊急性と倫理的責任

脱炭素がなぜ急務となっているのか、倫理的責任の観点から緊急性を解説します。

脱炭素は未来世代への責任

地球温暖化は時間の経過とともに不可逆的に進行するため、今日の私たちの行動や選択が、子どもたちや孫たちの世代の生活環境と安全保障を決定的に左右します。

特に重要なのは、1.5℃上昇と2℃上昇のわずか0.5℃の違いが、将来世代に与える影響において大きな格差を生み出すことです。

1.5℃上昇と2℃上昇の影響予測の違いとして次の例が挙げられています。

  • 人間が居住するほとんどの地域における極端な高温の増加
  • 海水面の上昇(1.5℃の場合、2℃よりも上昇が約0.1m低く、リスクに曝される人口は最大1千万人異なりうる)
  • 夏季における北極の海氷の消滅(2℃だと10年に1回、1.5℃だと100年に1回程度)
  • サンゴ礁(2℃:ほぼ全滅。1.5℃:70-90%死滅)

0.5℃の差は、極端気象の頻度や強度、海面上昇の規模、生態系への打撃、食料安全保障への脅威などあらゆる面で深刻度を大幅に増大させます。

出典:環境省/IPCC 1.5℃特別報告書

気候変動が脅かす社会的弱者

気候変動で最も深刻な打撃を受けるのは、災害への備えが不十分な途上国や低所得層など社会的弱者であり、これが脱炭素の緊急性を倫理的観点からも裏付けています。

気温上昇と海水温上昇により、世界各地で年間降水量がより極端化しており、干ばつと洪水の両極端が頻発する状況が生まれています。影響は既に現実化しており、2013年11月にフィリピンを襲った観測史上最強の台風ハイエンは、インフラ整備が不十分な地域に壊滅的な被害をもたらしました。

また、アフリカ諸国では、気候変動が農業部門への深刻な悪影響を及ぼすことが懸念されています。異常気象による直接的被害により、食料安全保障が脅かされ、既に厳しい生活を送る人々がさらなる困窮に追い込まれる可能性があります。

気候危機は人類全体の課題

気候危機は従来の環境問題の枠組みを超えた、人類全体が直面する複合的な課題です。問題の本質は、単に自然環境の悪化にとどまらず、社会の安定基盤、経済活動の持続可能性、人間の尊厳という人類社会の根幹に関わる要素すべてに深刻な脅威をもたらすグローバルな課題であることです。

社会の安定では、気候変動による異常気象や海面上昇が大規模な人口移動を引き起こし、地域紛争や政治的不安定を誘発する可能性も考えられます。経済活動でも、農業生産性の低下、インフラの損傷、保険コストの増大など、あらゆる産業分野に連鎖的な影響が及びます。

さらに基本的な生活条件の悪化、健康被害の拡大、生計手段の喪失などにより、人々が人間らしい生活を営む権利そのものが脅かされます。

企業が脱炭素を推進する理由

企業が脱炭素に取り組むことで事業の優位性を高められます。企業が脱炭素を推進する理由には次の2つが挙げられます。

  • 脱炭素経営による企業イメージの向上
  • 社員のモチベーションや採用力の向上

脱炭素が進むと、CO2排出量に価格が付くいわゆるカーボンプライシングが行われることになります。カーボンプライシングが行われることで、「値段」や「納期」などこれまでの商業的な価値に加えて「CO2を排出量」という新たな価値が加わり価格に反映されます。つまり、カーボンプライシングを上手く経営に取り入れることで脱炭素を推進した経営を行い、利益を上げることが出来るようになります。

カーボンプライシングを取り入れた脱炭素経営により、脱炭素に取り組んでいない競合他社に対する価格の優位性を確保しつつ、企業イメージの向上を図れます。脱炭素をはじめとする環境問題に積極的に取り組む企業としてイメージが向上すると、脱炭素経営が行われているとして優秀な人材獲得や社員へのインナーブランディングに繋がるだけでなく、投資家や金融機関からもESG投の対象として評価を得られるため、投資対象としても有利になる可能性もあります。

なお、企業が行える脱炭素への取り組みにはどのようなものがあるのか知りたい方は「脱炭素社会に向けて企業が取り組むべきことは?必要な理由や事例も解説」を確認してみてください。

建設業において脱炭素を推進する理由

建設業において脱炭素を推進する理由は、日本の産業におけるCO2削減に影響が大きいためです。

建設業では施工から解体までの工程でCO2が排出されますが、全工程の中で建設に関わる建設機械からの排出が主であり、建設業における脱炭素の課題となっています。

建設業における脱炭素の課題解決策として、低燃料型建設機械の開発や普及が進んでいます。また、建設業界から排出されるCO2削減に向けて低炭素型コンクリートの活用や工数の短縮などさまざまな取り組みも行われています。

 なお、建設業で行える脱炭素への具体的な取り組みに関して知りたい方は「建設業界が抱える脱炭素の課題は?解決策になる取り組みも解説」を参考にしてください。

脱炭素における企業の取り組み事例

脱炭素に向け、様々な企業が取り組みを進めています。環境省は脱炭素経営に取り組む中小企業の事例をまとめた「事例集」を公表しています。

たとえば令和4年度に環境省が実施した「中小企業の温室効果ガス削減目標に向けた脱炭素経営促進モデル事業」では6つの業種がモデル事業として参加しており、サプライチェーン排出量の削減やCO2削減などに取り組んだ企業事例が複数見られます。

また、CO2削減量の可視化や、EVトラックの活用に取り組んだ企業も見られました。なお、その他の脱炭素における企業の取り組み事例を知りたい方は、「脱炭素社会に向けて企業が取り組むべきことは?必要な理由や事例も解説」を参考にしてください。

具体的な脱炭素への取り組み

具体的な脱炭素への取り組み

脱炭素を実践するためには、どのような取り組みを行えばいいのでしょうか。5つの具体的な取り組みについて説明しましょう。

太陽光発電

脱炭素の代表的な取り組みなのが、太陽光発電です。太陽の光をエネルギー変換して発電を起こします。太陽光発電は、CO2などの温室効果ガスを削減でき、騒音・排気ガスなどが発生しない再生可能エネルギーであるため、他の発電方法よりクリーンな発電が可能です。

自然エネルギーを利用しているため発電費用がかからず、生じた電力は電気会社に売却もできます。また、企業が大々的に導入すれば環境保全に貢献していると、社会的な評価も上がるのがメリットです。

しかし、天候に左右されるため安定していない・初期費用がかかるなどのデメリットがあります。

プラスチックの削減

プラスチック製品の製造・使用は、脱炭素に大きく関わる課題です。。プラスチック製品は製造・廃棄するとCO2・有害物質が排出されます。そのため、なるべくプラスチックの代用品になるものを、普段の生活で使用することが大事です。その方法には以下のような例があります。

  • ビニール袋を使わずエコバッグを使う
  • プラスチック製品の代わりになるもの(コップなど)を持ち歩く
  • リサイクルを心がける

食品ロスの削減

まだ食べられるのに捨ててしまうなどの食品ロスも、脱炭素と密接に関係します。食品の破棄は製造にかかるコストの無駄になるだけでなく必要以上のCO2の排出も招くためです。

さらに破棄する際も多量の​CO2が排出されるため、日常生活において無駄な消費をしないように心がけないといけません。

移動に関する取り組み

移動の際に使う自動車なども排気ガスなど温室効果ガスを排出するため、気をつけなければいけません。自動車ではなく公共の交通機関の利用、自転車や徒歩などの移動を実践することが大事です。

また、各自動車メーカーは脱炭素に配慮した、温室効果ガスを排出しない自動車の製造を積極的に行っています。自動車を購入する際は、そのような脱炭素に対応した自動車を選ぶことが大事です。

住居に関する取り組み

脱炭素は、建設・建築業界にも大きな影響を与えています。各住宅メーカーが取り組んでいるのは、脱炭素の時代に対応した「低炭素住宅」の開発です。

この住宅は、居住空間の至るところに温室効果ガス​​排出の軽減・再生可能エネルギー利用のための工夫が施されています。住宅を購入する際は、このような取り組みを実践している住宅の選択を心がけることが大事です。

関連記事:認定低炭素住宅とは?長期優良住宅との違いや 補助金な どのメリットを解説

脱炭素とコロナ禍からの経済的な復興を両立する動きもある

世界的に脱炭素とコロナ禍からの経済的な復興を両立する動きも見られます。この動きは「グリーンリカバリー」といわれ、脱炭素への経済的な投資を行いながら持続可能な社会を実現していく政策として欧米を中心に広がりを見せています。

世界約100か国で活動する環境保全団体のWWFでは、グリーンリカバリーのポイントとしてパリ協定とSDGs双方の達成を提唱しています。パリ協定は地球温暖化対策に関する国際協定で「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をすること」を長期目標としており、SDGsは脱炭素への取り組みを含む17の持続可能な国際目標のことです。

日本ではグリーンリカバリーの実現を目指す中小企業向けに補助金の公募が提供されています。脱炭素において資金面に課題を感じている企業の方は、補助金の活用を検討してみてください。

なお、グリーンリカバリーに関連する知識として、脱炭素がSDGsにどのように関わっているのか詳しく知りたい方は「SDGsと脱炭素の関連性と取り組み事例について」を参考にしてください。

「脱炭素なぜ必要なのか」に関するよくある質問

「脱炭素なぜ必要なのか」に関するよくある質問

脱炭素に関する疑問を以下にまとめてみました。質問とその回答を紹介します。

脱炭素を行う理由は何ですか?

CO2などの温室効果ガス排出を削減する「脱炭素」を行う理由は、地球温暖化の防止です。地球温暖化が加速すれば異常気象が多発し、多くの災害や事故が多発するようになります。そのため、日本だけではなく世界でも脱炭素を目指した対策がおこなわれています。

カーボンニュートラルを目指す理由は何ですか?

カーボンニュートラルを目指す理由は、地球温暖化の防止もありますが、社会的な貢献という意味合いもあります。

企業がカーボンニュートラル・脱炭素に対して無関心のまま経営を続けていた場合、社会的に判断される評価は温室効果ガスの排出を続けたまま経営しているという評価です。

カーボンニュートラルに対して積極的に取り組んでいると打ち出している企業は、世の中に貢献している企業として高い評価を受けるでしょう。

脱炭素しないとどうなる?

脱炭素をせずにそのまま生活をしていると、いずれは異常気象などさまざまな問題が多発します。また、企業が脱炭素に無関心であれば地球温暖化の促進に加担するだけでなく、社会的評価も下落することにつながるでしょう。

 CO2削減はなぜ必要なのか?

CO2は温室効果ガスの一種であり、CO2排出量の増加は地球温暖化の原因になります。CO2排出削減を目指すことで、地球温暖化の防止につながるのです。

まとめ

脱炭素は地球温暖化の抑制に活用されています。脱炭素が国際的な課題として推進される理由は、地球温暖化対策以外にも資源の有限性などが挙げられます。

また、企業が脱炭素経営と言う時代に即した経営を行うことで利益を上げると共にブランドイメージ向上につながり、今後の人材採用では脱炭素への取り組みが求職者の採用の決め手として比重が高まると考えられます。

建設業界においてもこの脱炭素経営の波は押し寄せています。建設業では解体までの工程でCO2を多く排出していますので、建設業界が脱炭素経営に取り組むことにより日本の産業全体のCO2削減量を引き上げ、地球温暖化の抑制に貢献することが期待されています。

なお、脱炭素とコロナ禍からの経済的な復興を両立する「グリーンリカバリー」といわれる動きも見られます。欧米では脱炭素への経済的な投資を行いながら持続可能な社会を実現していく政策として展開されています。

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

建設業界向けの脱炭素対策資料はこちら!

お役立ち資料

注目記事

循環型社会形成に貢献していくことが使命 大栄環境グループ共同土木が目指す これからの廃棄物処理のあり方とは—
業界事例

循環型社会形成に貢献していくことが使命 大栄環境グループ共同土木が目指す これからの廃棄物処理のあり方とは—

ピーエス・コンストラクションの脱炭素への取り組みと 「TansoMiru管理」導入によるCO2排出量可視化効果
業界事例

ピーエス・コンストラクションの脱炭素への取り組みと 「TansoMiru管理」導入によるCO2排出量可視化効果

AI活用で工事費・建物のCO2排出量を算定 新ツールがもたらす木内建設のDXと脱炭素戦略
業界事例

AI活用で工事費・建物のCO2排出量を算定 新ツールがもたらす木内建設のDXと脱炭素戦略

みらい建設工業 CO2排出量の可視化で脱炭素施策を推進 「TansoMiruサービス」導入エピソード
業界事例

みらい建設工業 CO2排出量の可視化で脱炭素施策を推進 「TansoMiruサービス」導入エピソード

全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会が目指す 建設現場における脱炭素への貢献
業界事例

全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会が目指す 建設現場における脱炭素への貢献

記事の一覧はこちら

本ウェブサイトを利用される方は、必ず下記に規定する免責事項をご確認ください。
本サイトご利用の場合には、本免責事項に同意されたものとみなさせていただきます。当社は、当サイトに情報を掲載するにあたり、その内容につき細心の注意を払っておりますが、情報の内容が正確であるかどうか、最新のものであるかどうか、安全なものであるか等について保証をするものではなく、何らの責任を負うものではありません。
また、当サイト並びに当サイトからのリンク等で移動したサイトのご利用により、万一、ご利用者様に何らかの不都合や損害が発生したとしても、当社は何らの責任を負うものではありません。

目次