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建設廃棄物とは?建設副産物や処理方法も解説

建設廃棄物とは?建設副産物や処理方法も解説

建設廃棄物は適切な処理が出来ていないと、悪臭や大気汚染などの被害につながります。処理基準は廃棄物処理法という法律で決められており、基準に沿って適切に処理されることで私たちの生活が守られています。   ただ実際に処理するにあたり、

「具体的には何が建設廃棄物に該当するのだろう?」

「建設廃棄物は、どのように処理すべきなのだろう?」

このような疑問を抱えている方も少なくありません。そこで、本記事では、建設廃棄物が何か、そして、建設廃棄物と混同しがちな建設副産物についてもわかりやすく解説します。 さらに、建設廃棄物の適切な処理方法もお伝えします。最後まで読むことで、建設廃棄物に関する多くの疑問・悩みを解消することができるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

建設廃棄物とは?

建設廃棄物とは、建設工事の過程で生じるさまざまな廃棄物のことです。建設廃棄物には、私たちが日常生活で出すゴミとしての一般廃棄物と、産業活動から出る産業廃棄物があります。

建設廃棄物の種類

建設廃棄物には、大きく分けて以下の四種類あります。

  • 一般廃棄物
  • 安定型産業廃棄物
  • 管理型産業廃棄物
  • 特別管理型産業廃棄物

一般廃棄物

一般廃棄物は、私たちの日常生活や公共施設の維持・管理から生まれる廃棄物です。

一般廃棄物の例
・剪定した枝葉
・除草した刈草
・汚泥
・燃え殻

これらの廃棄物は、一般的に市民の生活圏内で発生し、日常の維持・管理活動から出てくるものです。そのため、一般廃棄物としての取り扱いや処理が求められています。

安定型産業廃棄物

安定型産業廃棄物とは、業界や製造過程から発生する特定の種類の廃棄物のことを指します。

安定型産業廃棄物の例
・廃プラスチック類
・ゴムくず
・金属くず
・ガラスくず
・コンクリートくず
・陶磁器くず
・がれき類

これらの廃棄物は環境への影響が比較的低いものばかりです。雨水にさらされても変化せず、有害物質や有機物も基本的に付着していません。埋め立てる形で処理されるのが一般的であり、処分費用も比較的安価です。

管理型産業廃棄物

管理型産業廃棄物とは、産業活動の過程で生じる特定の廃棄物です。

管理型産業廃棄物の例
・鉛の管や板
・廃プリント基盤
・蓄電池の電極
・建設などで生じる木の廃材や紙の残骸
・防水アスファルトやアスファルトの乳剤からの廃油
・廃石膏ボード

これらの廃棄物は、不適切な管理によって環境や人々の健康への影響を与える恐れがあるため、特定の管理が必要です。

特別管理産業廃棄物

特別管理産業廃棄物は、環境や人々の健康への影響が大きいと言われています。そのため、廃棄物の中でも特に適切な処理や管理が求められています。

特別廃棄物の例
・使用済みの油
・揮発性のある油
・家庭用や業務用で使用される灯油
・軽油
・PCB(ポリ塩化ビフェニル)
・アスベスト(石綿)

例えばPCBは、かつてトランスやコンデンサ、蛍光灯の安定器などの電気機器に広く使用されていました。しかし、人体に有害であることが明らかとなり、現在はその使用が制限されています。また、飛散する可能性のあるアスベスト廃棄物は、吸入すると健康に深刻なダメージを及ぼす恐れがあります。過去使われていた建材も含め、人体に悪影響を及ぼす廃棄物が特別管理産業廃棄物に該当します。

参照:建設廃棄物とは?|東京都環境局

建設廃棄物の影響

建設廃棄物の中には、適切に処理されない場合、環境に悪影響を及ぼす可能性があるものがあります。

例えば、化学物質や有害物質を含む建設廃棄物が雨水とともに流出すると、河川や海への水質汚染の原因となったり、周囲の生態系や人々の健康に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、建設廃棄物が大量に発生し続けることで、廃棄物の最終処分場がなくなってしまう問題も出てきます。

このように、建設廃棄物を適切に処分しないと様々な悪影響が出るため、適切な処理が必要になっています。

建設廃棄物と建設副産物の違いとは?

ここからは、建設廃棄物と建設副産物の違いについて説明します。建設廃棄物には一般廃棄物と産業廃棄物の2種類がありますが、建設副産物は建設廃棄物に加えて、建設発生土と有償で売却可能な有価物が含まれています。つまり、建設廃棄物は建設副産物の一種となります。

建設副産物の概要

建設副産物とは、建設工事の中で意図せず生じたものです。コンクリート塊や木材、汚泥などの建設廃棄物の他、工事現場から運び出される建設発生土、有償売却が可能な有価物が建設副産物に含まれます。

参照:リサイクル:建設リサイクル推進計画 – 国土交通省

建設副産物の発生源

建設副産物は、建設活動中に発生します。具体的には、新しい建物や施設の建設、既存の建物の改修や解体時などです。また、これらの材料は、建設現場での切り取りや削り残し、事故やミス、または設計変更などにより使われずに残ったものも含まれます。

建設副産物の用途

建設副産物の中には、適切に処理されることで再生資源としての価値を持つものが多く存在します。例えば、解体された建物から取り出されたコンクリートや石材は、砕石や再生コンクリートは、新しい建設物や道路建設の基礎材料として再利用が可能です。

また、金属部材は、溶解して新しい金属製品の原料としてリサイクルできます。木材の場合、家具やインテリア素材として再利用されることがあります。その他、ガラスは再生ガラスとして、アスファルトは再生アスファルトとして再利用されることが多いです。

これらの再利用やリサイクルは、資源の有効活用だけでなく、環境への影響を低減するという大きな役割を果たしています。

建設廃棄物・建設副産物の処理方法とは?

建設工事によって生じる建設廃棄物の処理の責任は、元請業者にあります。そのため、工事を受け持つ元請業者は、廃棄物処理法に基づく排出事業者としての役割と責任を果たさなければならないため、建設廃棄物の適切な処理を行う必要があります。

処理方法としては、自社で処理する方法と、業者に委託する方法があります。なお、業者に委託する際の手続きも、すべて元請業者が主導して行わなければなりません。

自社で処理する方法

建設廃棄物や建設副産物の処理を業者に外注せず、自社で行う場合には、特定のルールやガイドラインが存在します。まず、建設廃棄物を保管する際には、保管場所を表示するために60cm角の看板の設置義務があります。加えて、工事現場から離れた場所、具体的には300平方メートル以上のエリアで廃棄物を保管する際には、その事前の届け出も義務付けられています。

次に、廃棄物の収集や運搬に関してのルールです。運搬に使用する車両は、特定のステッカー表示が必要です。これは、建設廃棄物を安全かつ適切に運搬していることを周囲に伝えるためです。また、運搬中には、関連する書類を持参することも求められています。

最後に、廃棄物の最終的な処分方法についてです。自社で処理する場合、焼却する際には、許可を受けている施設、つまり焼却プラントで行う必要があります。また、埋め立てる場合も、同様に許可を得ている最終処分場で行わなければなりません。なお、有価物の処分については業者に買い取ってもらうことが可能です。

廃棄物の適正な処理は、環境保護の観点からも、また事業者としての社会的責任の観点からも非常に重要です。定められたルールをしっかりと守り、適切な処理を心がけましょう。

参照:建設系廃棄物の適正処理について – 神奈川県ホームページ

業者に委託する方法

建設廃棄物の処理を業者に委託する場合にも、細かくルールが定められています。まず、委託する業者と契約を結びます。ここで注意すべきは、委託業者が産業廃棄物処分業の許可を持つ業者であるかどうかをきちんと確認することです。もし、許可を持たない業者と契約してしまうと、法律違反となり、営業停止などの処分を受けてしまいます。

次に、マニフェストを記入します。これは、産業廃棄物や建設発生土を運んだり、処理したりするときの管理表として利用されます。つまり、業者はマニフェストに基づいて、廃棄物の処分やリサイクルを行うのです。廃棄物の処理後、委託業者から処分が適切に完了したことを示すマニフェストが返送されます。

また、このマニフェストは、排出事業者が5年間保存する法的義務があります。紙の場合は適切な場所に保管し、電子の場合はデータを失わないように適切に管理しましょう。

建設廃棄物を処理する際に注意すべきポイントは?

建設廃棄物を自社で処理する場合も、業者に委託する場合も、法律などのルールに従うことが重要です。その他にも、建設廃棄物を処理する際に注意すべきポイントは二つあります。一つは産業廃棄物と一般廃棄物の分別方法、もう一つは特別管理廃棄物の取り扱いについてです。以下にそれぞれについてご説明いたします。

産業廃棄物と一般廃棄物の分別方法

建設プロジェクトを進める中で発生する廃棄物は、大きく分けて、産業廃棄物と一般廃棄物があります。産業廃棄物は、事業活動から生じる特定の廃棄物を指し、具体的には廃棄物処理法により特定された20のカテゴリーに属するものを言います。一方、一般廃棄物はその基準を満たさない廃棄物全般のことです。

例えば、建設現場での建設・改修作業中に発生した紙くずは「産業廃棄物」として扱われます。これは、解体工事などを通じて大量に廃棄される傾向があるためです。一方で、事務所での業務で排出されるメモや新聞、雑誌、設計図などの紙くずは「一般廃棄物」として扱われます。

これら二つの廃棄物は、異なる処分基準や対応する業者が設定されているため、間違った方法で処理すると罰則が科される可能性があります。例えば、適切な許可を持たない業者に処理を委託する、または許可されていない方法で廃棄物を処分すると、罰金や刑罰の対象となることもあります。

このようなリスクを避けるため、建設廃棄物を正しく分別し、適切な処理をすることが大切なのです。

特別管理廃棄物の取り扱い

建設廃棄物の中でも、石綿や揮発油や灯油などの特別管理産業廃棄物の取り扱いには、特に注意が必要です。なぜなら、この廃棄物に含まれる成分や特有の性質が、人々の健康や周囲の環境に悪影響を及ぼす可能性があるからです。具体的には、爆発する可能性があったり、人体に有毒であったりします。

そのため、保管する際には、囲いを設置したり、飛散・流出しないようにしたりなどの処置が義務付けられています。詳しくは、環境省のホームページよりご覧ください。

参照:特別管理産業廃棄物の処理基準の概要 | 環境再生・資源循環 | 環境省

建設廃棄物の処理工程で脱炭素に取り組む例

近年、地球温暖化対策として、CO2排出量を削減する脱炭素の取り組みが進められており、建設業でもその取り組みが盛んになっています。取り組みの一例として建設廃棄物の処理においても、以下の二つの方法でCO2の削減が行われています。

  • 再利用・リサイクル
  • 高エネルギー効率の処理技術の導入

再利用・リサイクル

代表的な脱炭素化の取り組みの一つとして、建設廃棄物の再利用・リサイクルがあります。

新しい建設資材を作る際、多くのエネルギーが必要です。特に、鉱物や金属を採掘し、それを加工する過程で大量のCO2が排出されます。しかし、既に使用された鉄などの金属を再利用・リサイクルすることで、新たな資材の生産に必要なエネルギーや資源の消費を大幅に削減できるため、その分CO2排出量を削減できます。

そのため、建設廃棄物を適切に分別することでリサイクル率を向上させることが大切です。適切なリサイクルにより廃棄物量を減らせれば、廃棄物処理にかかるコスト削減も可能です。

建設廃棄物を再利用・リサイクルすることは、地球を守るだけではなく、企業のコスト削減にも役立ちます。

高エネルギー効率の処理技術の導入

廃棄物の種類によっては処理に大量のエネルギーが使用されるため、CO2も大量に排出されてしまいます。この排出量を抑えるためにも、エネルギー効率の高い処理技術の導入が求められています。

高エネルギー効率の処理技術を導入する最大のメリットは、少ないエネルギーで多くの廃棄物を処理できる点にあります。特に、焼却や処理施設での作業を効率よく進めるための技術は、環境にやさしいだけでなく、経済的にもコストを削減する要因となるでしょう。

また、高エネルギー効率の技術を採用することで、建設廃棄物から再生可能エネルギーを取り出すことも可能です。例えば、バイオマス発電の燃料として廃棄物を利用することで、新たなエネルギー源として活用可能です。

高エネルギー効率の処理技術を導入することは、廃棄物を減らすことで環境への負担を減らし、コストを削減する役割も果たします。

まとめ

建設廃棄物は、建設工事中に発生する廃棄物のことで、一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。建設副産物は、建設工事中に予期せず発生するもので、コンクリート、木材、金属やガラスの破片などが含まれます。再生資源になるものも多く、コンクリートや金属は再利用・リサイクルが可能です。これは、建設業で脱炭素化するうえで欠かせない取り組みの一つと言えるでしょう。

また、建設廃棄物の処理には、自社での処理や業者への委託が考えられ、いずれの方法も適切なルールに従って行う必要があります。建設廃棄物に関するルールを守り、適切な対応を心がけましょう。

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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