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【わかりやすく解説】グリーン購入法とは|対象や建設業界への影響

【わかりやすく解説】グリーン購入法とは|対象や建設業界への影響

グリーン購入法は消費者、事業者それぞれに環境配慮を促す仕組みです。公共工事では環境配慮が推進されており、技術評価基準が設定されていますので、建設業界への影響も大きいです

本記事では、グリーン購入法の概要や仕組みを解説しています。また、グリーン購入法のメリットや建設業界における具体的な影響も紹介しているため、建設業で環境問題に取り組んでいる企業の方は参考にしてください。

グリーン購入法とは

グリーン購入法とは

グリーン購入法は環境配慮への意識を向上するための法律であり、消費者だけではなく、事業者側としての対応も含まれています。グリーン購入法の概要から、そもそもグリーンとは何か、さらにエコマークとの違いは何かなどについて解説します。

グリーン購入法の概要・内容

循環型社会の実現を目指すグリーン購入法は、環境配慮を消費側から促進する法的枠組みで、社会全体での環境負荷軽減が狙いです。対象となるのは一般の消費者のみならず、公的機関や自治体も含まれています。

グリーン購入法が必要となった理由には、環境配慮型製品の供給だけでは持続可能な社会への移行が不十分であることが挙げられます。一方で、消費者の選択行動が経済活動全体の方向性を変える力を持っています。このため、グリーン購入法により消費者が環境に配慮した選択行動を行うことで、持続可能な社会への移行を促進すします。実務面では、政府機関や地方自治体が策定した年次の「調達方針」に沿って環境負荷の少ない物品やサービスを優先的に選定しています。

製造・販売企業側は、消費者が環境に配慮した選択をしやすくするための正確な情報開示をしなければなりません。製品選択の段階から環境保全を組み込むことで、社会全体の持続可能性向上を図るのがグリーン購入法の目的です。

そもそも「グリーン購入」とは

グリーン購入とは、商品やサービスを選ぶ際に環境負荷の少ないものを優先的に選択する購買行動を指します。グリーン購入のポイントは、単に価格や品質だけを重視する従来の購買判断基準にとどまらず、環境や社会への影響も重要な選択要素として捉えている点です。

グリーン購入の購買方針では、まず購入の必要性自体を吟味することから始まります。本当に必要なもののみ購入のうえで、環境配慮型の商品を選ぶ二段階の意思決定が必要です。

またグリーン購入においては、1,000を超える企業や行政機関、各種団体から構成された「グリーン購入ネットワーク(GPN)」が重要な役割を担っています。グリーン購入ネットワークは、グリーン購入における考え方を総集した「グリーン購入基本原則」を策定しており、具体的な購買判断の指針として多くの組織に活用されています。

参照:グリーン購入ネットワーク/グリーン購入基本原則

エコマークとの違い

エコマークは、第三者機関の日本環境協会が厳格な審査を行い、認証を与える信頼性の高い環境ラベルです。製品の生産段階から廃棄に至るまでの全ライフサイクルを評価対象とし、環境負荷が少なく環境保全に貢献すると判断された商品のみに付与されます。

一方、グリーン購入法は製品自体を直接認証するシステムではなく、環境配慮型製品の調達を促進するための法的枠組みです。エコマークには第三者機関による審査・認証プロセスがあり、基準を満たした製品に目に見える形でマークが付与される点が大きな違いです。

また、グリーン購入法の対象製品には特定のラベルが付くわけではなく、法律に基づく基準を満たしているかどうかが判断基準になります。エコマークは消費者が一目で環境配慮型製品と認識できる視覚的シンボルを提供するのに対し、グリーン購入法は主に調達の仕組みとしての役割を果たしているのです。

参照できるラベルの種類

グリーン購入法に適合している商品かどうかを見極めるためには、環境ラベルを確認する必要があります。環境ラベルの種類は次の通りです。

ラベル 特徴
グリーン購入法適合ラベル グリーン購入法の基準を満たしていることを示すもの
エコマーク ISO14024に基づき環境影響を審査・認定するもの
バイオマスマーク バイオマスを活用した製品に付与されるラベル
省エネラベリング制度 省エネ基準をどの程度達成しているかを表示するラベル

グリーン購入法適合ラベルは、国や公的機関が物品調達を行う際の判断基準として役割を果たしています。政府機関だけでなく、地方自治体や一般消費者にとっても製品選択における有用な指標です。

グリーン購入法適合マークには統一されたデザインが存在せず、さまざまなバリエーションが見られます。

グリーン購入法の対象

グリーン購入法の対象となる主な商品の例は次の通りです。

  • 紙類
  • 文具類
  • 画像機器
  • オフィス機器
  • 家電製品
  • 照明 など

グリーン購入法では、対象となる各品目に対して明確な判断の基準が設けられています。製品カテゴリーごとに異なる環境配慮要件を規定しており、製品が特定調達品目として認められるためには欠かせない条件です。

例えばティッシュペーパーであれば、古紙パルプ配合率100%の明確な数値基準が設定されています。また文具類においては「金属を除く主要材料がプラスチックの場合は、再生プラスチックがプラスチック重量の40%以上使用されていること」など、詳細な素材構成に関する基準が定められています。

製品が素材構成の基準を満たしているかどうかの判断は第三者認証ではなく、メーカー自身による自己宣言に基づいているのが特徴です。

グリーン購入法のメリット

グリーン購入法のメリット

グリーン購入法のメリットとして挙げられるのは、以下の4点です。

  • 省エネにつながる
  • 技術改革のきっかけとなる
  • 環境意識を向上させられる
  • 温室効果ガスを抑えられる

ここでは、グリーン購入法のメリットについてそれぞれ詳しく解説します。

省エネにつながる

グリーン購入法がもたらすメリットのひとつは、社会全体の省資源・省エネルギー化の促進です。環境配慮型製品の選択を奨励することで、エネルギー消費の効率化に大きく貢献しています。

消費者が環境負荷の少ない製品を積極的に選択するようになると、企業側は市場競争力を維持するために資源消費を抑制し、エネルギー効率を高めた製品開発を行います。需要と供給の相互作用によって、より少ないエネルギー消費で同等以上の機能を実現する製品が市場に増えていく流れです。

結果として、個別製品のエネルギー効率向上だけでなく、製品のライフサイクル全体でのエネルギー消費削減につながります。グリーン購入法は単なる製品調達の指針を超え、持続可能な社会実現に向けたエネルギー戦略の一環としても重要な役割を果たしていることが特徴です。

技術改革のきっかけとなる

グリーン購入法は、企業の技術革新を促進する役割も果たしています。環境に配慮した経営姿勢を明確に示す企業は社会的責任を果たすだけでなく、新たな市場機会を獲得できる実質的な恩恵も得られます。

また、グリーン購入を重視する企業は、サプライチェーン全体での環境負荷低減を目指すため、環境配慮型の経営を行う企業との取引が優先されると考えられます。そのため、環境意識の高い企業間のネットワークが形成されていきます。

環境負荷の低い原材料や部品を積極的に採用することは、結果的に環境性能の高い新製品誕生のきっかけになります。グリーン購入を活用した製品は従来の市場では満たされていなかったニーズに応えるものとなる可能性があり、新規顧客の獲得や競合他社との差別化につながることが期待されています

環境意識を向上させられる

グリーン購入法の本質的な価値は、社会全体の消費行動をより環境に配慮したものへと変容させる点です。消費者にとっては、グリーン購入法は日常の購買決定で環境負荷を考慮する具体的なきっかけとなります。

製品選択の際に環境性能を意識することで個人の環境リテラシーが徐々に向上し、より環境問題への関心を持つことにつながることが期待されています。同時に、事業者側にとってもグリーン購入法は企業文化や価値観を環境配慮型へと転換させる契機になり得ます。

つまり、市場からの要請に応えるために環境負荷の少ない製品開発や生産プロセスの見直しが進み、結果として企業の組織全体の環境意識が高まっていきます。グリーン購入法は制度的な枠組みを通じて消費者と生産者双方の行動変容を促し、持続可能な社会の実現に向けた意識改革につながります。

温室効果ガスを抑えられる

グリーン購入法がもたらすメリットには、温室効果ガスの排出量削減への直接的な効果もあります。環境配慮型の製品やサービスを優先的に選択する行動は、複合的な環境保全効果を生み出します。

具体的には、天然資源の消費抑制や廃棄物発生量の削減、そして温室効果ガス排出量の低減などの連鎖的な環境改善です。製品のライフサイクル全体で見れば、原材料調達から製造、使用、廃棄に至るまでの各段階での環境負荷が最小化されます。

さらに、グリーン購入法の波及効果は気候変動対策にとどまりません。環境に配慮した製品の利用拡大は生態系保全にもつながり、地球環境における重要課題の解決のも貢献しています。

建設業界における具体的な影響

建設業界における具体的な影響

建設業界におけるグリーン購入法の具体的な影響としては、以下3つが該当します。

  • 公共工事における環境配慮の推進
  • 技術評価基準の設定
  • 地方自治体における取り組みの展開

建設業界に携わっている方は、ここで紹介する内容をぜひとも参考にしてみてください。

公共工事における環境配慮の推進

グリーン購入法の適用は、公共工事分野で重要な意味を持ちます。公共工事では、プロジェクトごとの特性や求められる強度・耐久性・機能の担保・コスト等のバランスを取りながら、環境配慮型の調達を積極的に推進する取り組みが進んでいます。

建設業界の環境配慮は、建設資材の選定と施工方法の両面で取り組まなければなりません。資材面では、再生資源を活用した建材の使用が促進されており、コンクリート廃材のリサイクル品や再生アスファルト、再生木材などの採用が増えています。そのため、新規資源の採掘や加工に伴う環境負荷が大幅に軽減されていることが特徴です。

施工方法としても、省エネルギー型の技術や低排出ガス型の建設機械の導入が推奨されています。高効率な建設機械の使用やアイドリングストップなどの運用改善によって、工事中の温室効果ガス排出量の削減が図られています。

技術評価基準の設定

グリーン購入法の枠組みを背景に、公共工事では環境配慮に関する具体的な技術評価基準が整備されています。評価基準は、建設プロジェクトの技術選定や資材調達に明確な方向性を与え、環境負荷低減に貢献する技術革新を促進していることが特徴です。

基準によって、環境負荷低減効果の高い技術や資材が客観的に評価され、公共工事での採用が優先される傾向が生まれています。従来は価格競争力で不利とされていた環境配慮型の技術や素材が公正に評価される土壌が形成されているのが現状です。

地方自治体における取り組みの展開

地方自治体では、それぞれの地域特性や課題に対応した独自の環境配慮型調達の取り組みが展開されています。東京都が作成した独自のグリーン購入ガイドは、環境配慮型製品やサービスの利用を積極的に推進しており、地域レベルでの環境負荷低減に大きく貢献する仕組みです。

地方自治体の取り組みを可視化し、さらなる改善を促す仕組みとして、グリーン購入ネットワークによるランキング制度があります。ランキングは自治体のグリーン購入への取り組み状況を評価・公表するものであり、自治体間の競争を促進しています。

最新の評価で北海道と長崎県の2団体が満点の評価を獲得していることも、注目すべきポイントです。

参照:グリーン購入ネットワーク/地方公共団体のグリーン購入取り組みランキング 一覧

グリーン購入法の導入事例

ここでは、以下3社が実践するグリーン購入法の導入事例を紹介します。

  • 株式会社大林組
  • 大成建設株式会社
  • 株式会社熊谷組

グリーン購入法に関する取り組みを考案する際は、ぜひ参考にしてください。

株式会社大林組

1.目的

 大林組は、「大林組環境方針」に基づき、全ての事業活動を通じて、環境への影響に配慮し、

環境負荷のより少ない事務用品及び建設資機材等の優先的な調達に努めることにより、持続的

 な発展が可能な循環型社会づくりに貢献する。

2.適用範囲

 本ガイドラインは、当社が調達する事務用品及び建設資機材等(事務機器、建設機械、設備、

技術、構法、工法、システムなどを含む)に対して適用する。

 なお、総務担当部門の委託を受けた業者が調達する場合も本ガイドラインを適用する。

3.調達方針

 1)調達に際しては、下記の環境保全活動への寄与に配慮する。

1)省エネルギー・省資源の推進

2)二酸化炭素排出量の削減

3)廃棄物の発生抑制

4)リサイクルの推進

5)有害化学物質の使用抑制

6)周辺環境・生態系の保全

引用:事務用品及び建設資機材等 グリーン調達ガイドライン|2017.04.01|大林組

大成建設株式会社

大成建設は、構造物の設計・施工・運用・解体時における、環境負荷の小さい資機材及び工法の適用・推進を目的とした「大成建設グリーン調達ガイドライン」を2001年に制定し、運用しています。グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進に関する法律)の内容を参照・反映させ、毎年その対象品目を見直して対象品目を増やしており、2023年度は109品目を採用しています。

また、建築設計時のグリーン調達品目の採用について、目標管理を実施しており、2023年度のグリーン調達品目は平均で13.7品目となっています。全社で運用することにより、資源の循環利用だけでなく、省エネルギー、CO2排出量の削減、省資源、有害物質の不使用、自然環境の保全などに繋げています。

引用:循環型社会の実現に向けて|2024.09.04|大成建設

株式会社熊谷組

熊谷組では、2025年3月竣工の「(仮称)水道橋PREX」の新築工事においてJFEスチールのグリーン鋼材「JGreeX(ジェイグリ―クス)」を採用しました。主要鉄骨部材400tのうち、約半分の鋼材にJGreeXが使用されています。

これはJGreeXが不動産・建築業界で初めて使用される事例で、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして期待を集めています。

引用:グリーンスチールでCO2削減|建設業での事例も|2024.01.30|BuildAppNews

まとめ

まとめ

本記事では、建設業界の方向けにグリーン購入法について解説しました。循環型社会の実現を目指すグリーン購入法は、環境配慮を消費側から促進する法的枠組みです。

製造・販売企業側は、消費者が環境に配慮した選択をしやすくするための正確な情報開示をしなければなりません。製品選択の段階から環境保全を組み込むことで、社会全体の持続可能性向上を図るのがグリーン購入法の目的です。

グリーン購入法が社会に与える効果や、建設業界における具体的な影響も紹介しているため、建設業として環境問題への取り組みを推進している方は参考にしてください。

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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