導入事例

ピーエス・コンストラクション株式会社様

建設業特有の課題に対応したCO₂排出量管理を実現
現場データの精緻化と効率的な削減施策立案を推進

ピーエス・コンストラクションは、2030年度までにスコープ1・2で42%、スコープ3で25%のCO₂削減目標を掲げ、サステナビリティ経営を推進しています。この目標達成に向けた正確なCO₂排出量把握と効率的なデータ管理を実現すべく、建設業界に特化したCO₂算定サービス「TansoMiru」(タンソミル)を導入。従来のExcelベースでの管理から脱却し、現場ごとの削減施策立案を可能にしています。

導入前の課題

手作業による確認作業の負担増大が課題に
タイムリーな開示要求に従来手法では対応困難

プレストレストコンクリート技術を核とするピーエス・コンストラクションは、橋梁を中心とした土木工事のほか、医療施設や学校施設などの建築工事も行っています。同社では約3年前からサステナビリティ経営に注力し、2030年度までにスコープ1・2を2022年度比で42%削減、スコープ3については25%削減という数値目標を設定しています。

この目標達成に向けて、同社では技術面からもアプローチを進めています。執行役員 管理本部副本部長 兼 総務部長 兼 サステナビリティ推進室長 の宅野 伸二氏は「当社の強みであるプレキャスト工法を活用し、工場で製作した部材を現場で組み立てることで、現場での労務や施工作業を大幅に削減し、CO₂排出抑制に取り組んでいます」と説明します。

加えて、環境負荷低減を目指した独自の低炭素コンクリート技術も開発しています。技術本部 技術研究所長の堀内 達斗氏は「当社独自のスチームレスプレキャストコンクリートでは、従来の重油ボイラーを硬化促進剤で代替し、CO₂削減を実現しています。また、超低炭素型コンクリートでは、セメントを鉄鋼業の副産物である高炉スラグで90%置換することでCO₂削減を可能にします」と説明します。

こうした環境配慮の取り組みを進める中で、同社が直面したのがCO₂排出量管理の課題です。従来は売上ベースで約5割の現場のCO₂排出量を調査し、全体を推計する方式を採用していましたが、調査対象現場の拡大に向けて集計作業の業務負荷増大が大きな課題となっていました。

「現場には計算式を組み込んだExcelワークシートを配布していたものの、入力負荷、漏れ、集計検証の工数が大きく、タイムリーな開示には不向きでした」(宅野氏)

続けて具体的な問題点について「月次や一定期間まとめての入力となるため、入力ミスや漏れが発生しやすく、その確認作業に多大な工数を要していました。データ集計から算定、開示までの時間短縮も求められる中、年度末にまとめて検証作業を行う従来の方式では限界がありました」とサステナビリティ推進室 グループリーダー の羽生 満広氏は振り返ります。

特に建設業では、プロジェクトごとに施工場所や担当者が変わることが多く、データ収集の標準化や精度確保が難しいという業界特有の事情もありました。そのため、属人的な管理に依存せざるを得ない状況が続いていました。

導入の経緯

正確なデータ把握とタイムリーな管理を目指し
建設業特有の課題に対応した「TansoMiru」を導入

これらの課題解決に向けて同社が着目したのが、リバスタが提供する「TansoMiru」でした。建設業に特化したシステムとして評価され、導入の決定に至りました。

「一般的な算定サービスは固定拠点を前提とした製造業やサービス業向けが多い中、TansoMiruは建設業に特化した設計となっており、導入しやすいシステムでした」(宅野氏)

続けて堀内氏は「建設現場は案件ごとに条件が異なり、担当者も定期的に変わるため、データ収集の標準化が特に重要になります」と建設業の特殊性を説明します。

TansoMiruの導入は12現場での試行からスタートし、2025年度から原則としてすべての調査対象現場に導入する方針としています。

また、導入決定の大きなポイントとなったのは、同社がすでに活用している建設現場施工管理サービス「Buildee」との将来的な連携の可能性でした。現場にとって施工以外のデータ管理・入力は負担になりがちですが、TansoMiruはUIがわかりやすく、入力しやすいシステムとして評価されています。さらに今後のBuildeeとの連携による現場データの自動取り込みにより、さらなる省力化が期待されています。

導入効果

現場特性の可視化で効果的な削減施策が可能に
データ管理効率化と開示スピード向上を実現

TansoMiru導入により、同社のCO₂排出量管理は大きく変化しました。現場ごとの入力状況をリアルタイムで把握でき、入力漏れがある現場には早期に対応できるようになっています。また従来のExcelベースでは年度末の一括検証が中心でしたが、TansoMiruでは月次での分散チェックが可能です。

「データ集計から開示までの時間短縮が実現し、タイムリーな情報開示が可能になりました。最近は開示までの時間短縮要求がどんどん厳しくなる中、毎月のチェックでミスを事前に減らすことで、最終チェック時間も大幅に短縮できています」(羽生氏)

続けて堀内も「単純なデータ入力だけならExcelでもTansoMiruでも同じですが、将来的にいろいろな自動化を進めようとすると、Excelでは限界があります。集計作業の省力化には、データのシステム化が不可欠で、月次でのチェック体制により最終集計での手戻りも大幅に削減できています。また、現場担当者の入力負担も従来のExcel管理と比べて大幅に軽減されています」と話します。

さらに重要な効果として、各現場の特性を数値で可視化できるようになったことが挙げられます。
「数値が精緻化されることで、どの現場でどの重機の使用量が多いか、どの削減手法が効果的かといった施策の打ち方が見えてくるようになりました」(宅野氏)

今後の展望

API連携によるさらなる省力化への期待
業界全体のサステナビリティ経営を牽引へ

同社では、さらなる効率化と管理範囲の拡大を目指しています。

「最も期待しているのはBuildee、会計システム、購買システムとのAPI連携です。特に燃料データも含めた自動取り込みにより、現場の入力負荷をさらに軽減できると考えています」(宅野氏)

また、協力会社を含めた業界全体での取り組み拡大も重要な課題となっており、建設機械の稼働データを協力会社にも入力してもらえるシステムや、タブレット等での現場入力機能の充実により、より包括的なデータ収集の実現を期待しています。

今後の展望について、宅野氏は「スコープ3のカテゴリ11『販売した製品の使用に伴うCO₂排出量』が建設業の中で最も排出量の多いカテゴリとなりますが、これは自社の努力だけでなく、お客様のニーズや政策的な後押しも必要な分野です。建物のライフサイクル全体での排出量削減には、設計段階からの環境配慮や、顧客との協働による長期的な視点での取り組みを継続的に推進していく方針です」と語ります。

さらに同社では、サステナビリティ推進委員会配下の環境部会を中心とした推進体制により、「データ精緻化なくして目標達成なし」を前提とした運用強化を図っています。プレストレストコンクリート技術による環境優位性と、TansoMiruによる精密なデータ管理を両輪として、建設業界のサステナビリティ経営をリードする取り組みを継続する考えです。

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