みらい建設工業株式会社様
CO₂排出量の算定業務を効率化し、環境データを一元管理
「TansoMiru」導入で持続可能な建設業の未来へ一歩前進
みらい建設工業は、SDGsへの取り組みの一環として、2030年度末までに温室効果ガス排出量を30%削減するという目標を掲げています。この目標達成に向けて、同社では建設業界に特化したCO₂算定サービス「TansoMiru」(タンソミル)を採用。CO₂排出量算定業務の負担を大幅に軽減し、排出量の可視化によって今後の削減計画の策定にもつなげています。
導入前の課題
グループ経営方針に基づきSDGsに注力
2030年度末までにCO₂排出量を30%削減へ
1940年創業の大都工業をはじめ、日東建設や三井不動産建設をルーツに持つみらい建設工業。護岸や埋立工事などを手がけ、現在も港湾・空港・海洋土木を得意とし、陸上の土木工事や環境保全関連工事なども展開しています。現在では高松グループの一員として、その専門性を生かした事業を推進しています。
高松グループでは近年、SDGsへの取り組みに力を入れており、グループの長期ビジョン「TCG 2030 vision」や、それに基づく中期経営計画でも具体的な目標を掲げています。みらい建設工業もこの方針に沿って、SDGs関連施策に注力。2023年4月には環境省の「エコ・ファースト企業」認定を取得し、「2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現への貢献」「循環型社会の実現への貢献」「生物多様性および生態系保全に配慮した自然共生社会への貢献」という3つの約束を宣言しました。これを踏まえ、社内各部門で環境対応の施策を進めています。
「CO₂排出削減については、2023年度を起点として2030年度末までに30%削減するという目標を掲げています。とはいえ、スコープ1(自社での直接排出)やスコープ2(外部から調達する電力などの間接排出)は自社の努力次第で改善できますが、スコープ3(サプライチェーンでの間接排出)は協力会社にも働きかける必要があります。そこで、スコープ1・2で42%、スコープ3で25%という目標を設定し、取り組みを進めています」と、安全品質環境本部 副本部長 兼 品質環境部長の渡邉真澄氏は語ります。
導入の経緯
e-reverse.comとの自動連携を評価し
CO₂排出量を自動算定できる「TansoMiru」を導入
温室効果ガス排出削減のためには、明確な排出量の算定が不可欠です。みらい建設工業では2023年度を基準とし、この年度から総排出量の測定・算定を開始しました。
「スコープ1・2は、親会社の方針もあり、2022年には本社内に担当者を配置して算定を始めました。2023年度からは各支店や作業所ごとにデータを提出してもらうため、それぞれに担当者を任命し、毎月報告を受ける体制にしました。私たちが計算式を作成し、ワークシート形式で配布。現場担当者が資機材で消費した燃料や使用した電力など、算定に必要なデータを入力して送付する仕組みです」(渡邉氏)
このワークシートでは、資機材ごとに何日・何台稼働したかなどの情報を記入すると、自動的にCO₂排出量が算定されるよう工夫されており、現場担当者の負担軽減を図っていました。しかし、現場にとっては業務が増えることになり、他にも課題がありました。
「スコープ3では、各工事の積算情報をもとに資材関連のCO₂排出量を算定したり、産業廃棄物の排出データから算定する必要がありました。当社では以前からe-reverse.comを利用しており、そこから廃棄物の排出量を計算していましたが、産廃の運搬に関しては算定が困難でした。運搬経路を聞いて距離を概算し、CO₂排出量の算定に使うなど、かなりの時間を要していました」(渡邉氏)
こうした課題に対し、リバスタが提案したのが建設業界に特化したCO₂算定サービス「TansoMiru」です。e-reverse.comと連携して建設現場の産業廃棄物に係るCO₂排出量データを可視化する「TansoMiru産廃」、送配電事業者のメーター情報や契約プランから電力使用に関わる排出量を建設現場単位で取得可能な「TansoMiru電力」、そして建設業特有の複雑なCO₂算定を現場や支店、会社単位で排出量を効率的に集計・可視化する「TansoMiru管理」の3つのサービスです。
「特にe-reverse.comとの連携により、産廃関連のCO₂排出量を自動算定できる点が大きかったですね。他社からも同様の算定システムの提案がありましたが、この連携機能が選定の大きなポイントとなりました」(渡邉氏)
導入効果
CO₂排出量算定業務が劇的に効率化
現場から本社まで一気通貫での可視化も可能に
みらい建設工業では、現場でのe-reverse.com利用率が90%を超えており、TansoMiru産廃の導入によってCO₂排出量算定業務の大幅な省力化が実現しました。
「これまではワークシートを作成していたものの、産廃運搬経路のように手動で計算していた項目も多く、私一人で担当するとしたら月のうち20日ほど費やす必要があったと思います。TansoMiru産廃では、e-reverse.comに登録された電子マニフェストからCO₂排出量を算定してくれるため、産廃関連の算定業務だけでも、かなりの負担が軽減されました」(渡邉氏)
現場のCO₂排出データ担当者も、産廃関連の情報を別途登録する必要がなくなり、前述のワークシートに資機材の稼働状況を入力・送信するだけで済むようになりました。本社に送られたデータは「TansoMiru管理」に登録され、全体での可視化が可能となっています。
「TansoMiru管理では、CO₂排出量の変動をグラフなどの形式で可視化でき、トレンドを把握しやすくなりました。現場ごと、支店ごとにデータを確認することも容易で、社内での情報共有や分析にも役立っています」(渡邉氏)
これにより、現場から本社まで一気通貫でのデータ管理が実現し、算定業務の効率化だけでなく、環境対応の精度向上にもつながっています。
今後の展望
環境対応が入札競争力に直結
「TansoMiru」活用で“選ばれる企業”へ前進
こうして、みらい建設工業では業界特化「TansoMiru」の活用により、CO₂排出量の算定と可視化を効率的に行える体制が整いました。渡邉氏は、これがCO₂排出量の現状把握につながっていると語ります。
「まだ2年分しかデータの蓄積はありませんが、今後も継続していくことで、当社内部の課題も見えてくると期待しています。例えば、同様の工事内容で過去の年度と比較し、排出量の増減理由を検討するなど、より深い分析に活用できるでしょう。また、排出量をカテゴリー別に整理したり、同業他社との比較を行うことで、さらなる削減につなげていけると考えています」
さらに、「TansoMiru」で管理されたデータは、社外向けの情報発信にも活用されています。
「CSR報告書や自社サイトの環境関連ページなどにも、私たちの部署が関わっています。こうした文書に掲載する図版をTansoMiru管理から簡単に出力できるようになれば、作業効率がさらに向上すると思います」(渡邉氏)
CO₂排出削減をはじめとする環境への取り組みは、同社の事業活動にも密接に関わっています。みらい建設工業が得意とする港湾や河川の工事は、国土交通省や自治体などから発注される公共工事が中心であり、基本的には入札によって案件が決定されます。近年では、こうした入札において環境保全の取り組みが評価対象となり、加点されるケースも増えています。
「CO₂排出だけでなく、自然との共生や循環への配慮も求められていることから、カーボンニュートラルの実現に向けて、さまざまな取り組みを並行して進めていく必要があります。そして、それらの情報を集約・可視化する作業も求められます。人材が不足しがちな現場に過度な負担をかけることなく、効率的に対応できるシステムが今後ますます重要になるでしょう。リバスタには、引き続きそのような仕組みの提供を期待しています」(渡邉氏)
