株式会社フジタ様
「TansoMiru」導入でCO₂排出量集計の効率化を実現
CO₂排出量の見える化で現場の環境意識も向上
フジタは、1990年に制定した、「“高”環境づくり」というスローガンのもと、環境への取り組みを加速させており、その一環として、CO₂算定クラウドサービス「TansoMiru」を導入しました。これにより、現場のCO₂排出量を集計する際の業務負荷が軽減され、よりタイムリーに集計結果を得ることが可能となっています。
導入前の課題
グループ全社で推進する環境経営において
CO₂排出量集計業務の負担が課題に
建築・土木・まちづくり事業・海外事業などを手掛けるゼネコンのフジタ。2013年からは大和ハウスグループの一員として、100年以上の歴史で培ってきた技術力と、大和ハウスグループのシナジーを生かし、人々が快適で安心・安全な生活を送れる環境の創造に取り組んでいます。
大和ハウスグループは環境負荷“ゼロ”に挑戦するという環境長期ビジョン「“Challenge ZERO 2055”」を2016年度に策定しました。加えて、フジタも「“高”環境づくり」をスローガンに、持続可能な社会に向けたさまざまな取り組みを行っています。例えば、詳細設計が決まる前の段階から省エネ性能を分析できる、ZEB(Net Zero Energy Building)予測システムを開発。建物設計の上流段階からZEB化に向けた提案を行うことで、自社設計施工案件における建物のZEB化率(延床面積ベース)を大幅に高めることができたとのことです。
「当社では地球温暖化対策を2000年以前から行ってきました。2021年6月には環境月間に合わせた社長メッセージにて、2021年度を社内の『脱炭素元年』と位置付けました、以降カーボンニュートラルへの取り組みを加速させています」と説明するのは、品質・環境本部 環境部 部長の古澤富貴氏です。
古澤氏は環境部長として、カーボンニュートラル(脱炭素)などを重点課題とした自社の環境目標の達成に向けた取り組みの推進、環境関連の法令遵守、環境事故の防止に向けた対策、環境関連の情報開示など、フジタの全社的な環境活動を統括する立場です。また、一般社団法人 日本建設業連合会(日建連)の温暖化対策部会で委員を務めるなど、社外と積極的に連携しています。
古澤氏が率いる環境部は2025年現在、8人の社員が在籍していますが、特に自社活動から発生するCO₂排出量の把握に不可欠である集計業務は、作業内容によって負担が大きくなる場合があり、情報の正確性や集計タイミングなどにも課題があったといいます。
「現場でのCO₂排出量集計には、日建連のCO₂排出量算出シートを支店経由で各作業所に配布し、回収したデータを取りまとめて集計していました。しかし、工事完了時にまとめて入力する運用だったため、工期が長い現場ほどデータ量が大きくなります。そのため、大和ハウスグループが求める四半期ごとのCO₂排出量の集計に、施工中案件のデータが反映されず、正確性の面も課題がありました。業務負担と正確性の両面から、仕組みの改善が必要でした。」(古澤氏)
導入の経緯
CO₂排出量集計業務の効率化を実現すべく
TansoMiruの全社利用を決定
こうしたCO₂排出量集計の課題は、フジタに限ったものではありません。「当社のような課題は業界内でも多くの企業が感じており、建設業界でもシステム化を求める声が高まっていました。ただ、CO₂排出量データの入力だけでなく、そのデータから機材ごとの排出係数を計算する仕組みまで含めると、システム化は容易ではなかったのです」と古澤氏は言います。
これまでのExcelワークシートを使った集計から、自動化・効率化を図ることは、業界に広く共通する課題です。そこで2023年1月から環境部内でTansoMiruベータ版の利用を開始し、その機能や効果などを検証していきました。
「TansoMiruはリバスタからの提案で知り、脱Excelに期待しました。当社で利用している電子マニフェストサービスe-reverse.comとの連携や、電力データ等の自動連携で現場内におけるCO₂排出量の算定を効率化できる点が魅力でした。当初は機能面やコスト面からすぐには全社導入に至りませんでしたが、その後TansoMiruの改良が進み、当社でも集計基準の変更が必要になったことを機に、全社導入に踏み切りました」(古澤氏)
導入効果
TansoMiruの定着化で環境への意識レベルが向上
データ入力作業の効率化と集計精度向上を実現
TansoMiruの全社導入においては、環境部が社内関係部署に対して説明・協議を行い、承認を得たうえで推進されました。
「各担当部署については、建築・土木それぞれ5回に分けて研修会を実施し、単なるシステムの使い方だけでなく、自社としての取り組みも含めて説明しました。各作業所の担当者向けの教育も実施しました。リバスタが協力してくれたおかげで、社内関係部署・現場共に納得感を得られたと感じています。また、社内システムとTansoMiruのデータ連携などといったシステム改修も行い、2024年11月にTansoMiruの本格導入に至りました」(古澤氏)
導入効果について伺うと、「現場でのCO₂排出量集計にまつわるデータ入力が効率化されました。また、進行基準への切り替えなどに伴って入力・集計の頻度が高まったこともプラスに作用した」と古澤氏は言います。
「集計頻度が増える分、対応回数は増えますが、1回あたりの業務負担はこれまでの集計シートに比べてTansoMiruのほうが軽減されています。また、集計頻度が増えたことで現場では作業がルーティン化され、むしろ定着が進みました。加えて、結果はタイムリーにグラフで見える化されるため、支店や現場でもCO₂排出量削減に対する意識が変わったとも感じています。例えば軽油代替燃料などを使用したときにも削減量が見えるため、現場の人たちがその効果を認識して業務に当たるようになった、といった具合です」
もちろん環境部でも、TansoMiru管理を毎日のように使っており、業務効率化などの効果を得られています。
「TansoMiruでは年や月単位での集計も簡単で、過去との比較や目標管理が容易になりました。このことが、2025年度の目標達成にも寄与していると思います。進行基準に移行したことで、施工中の案件におけるCO₂排出量データも適切に反映され、四半期ごとのデータ集計もより正確になっています。また、電力使用に伴うCO₂排出量に関しては、以前は請求書の内容を基にしたデータ集計を行っていたためタイムラグがあり、現場によっては集計期間にズレが生じるなどの課題がありました。ですが、TansoMiru電力の導入により、タイムリーかつ、期間を揃えた集計が可能になっています」(古澤氏)
今後の展望
CO₂排出削減にとどまらず
あらゆる環境課題に対する取り組みを加速
TansoMiruはフジタにとって、環境経営を支える重要ツールの一つと位置付けられています。「フジタ“高”環境レポート 2025」でも、TansoMiruについての記述が盛り込まれています。
古澤氏は今後、CO₂排出量集計業務の効率化や集計精度のさらなる向上を通じて、自社およびグループの環境目標達成を目指しています。
「スコープ1、2の削減をさらに進め、今後はスコープ3を主眼に環境目標の達成に取り組んでいきます。リバスタには、更なる機能拡充や継続的なサポートを期待しています。集計業務の効率化で時間に余裕ができれば、その分を法令や先行事例の勉強に費やし、取り組みを加速させられるはずです。当社ではカーボンニュートラルだけでなく、ネイチャーポジティブ(自然共生)やサーキュラーエコノミー(資源循環)、水循環など気候変動と連動する全ての課題に取り組んでいるため、リバスタにはそうした新たな課題への解決策も提案していただきたいです」(古澤氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
